長崎県・対馬列島在住のユーザーさまより、以前にスジアラ釣行のレポートをいただいておりましたが、今回は更にその前……
対馬でスジアラを追い求めるきっかけとなった、最初の1本を釣り上げた時のレポートをいただきましたのでご紹介いたします。
ぜひご覧ください!
火付け役は兄貴分のS氏でした。
とあるエリアで二手に分かれて釣りをしていたところ、彼からの電話。
「見せたいモノがあるから、戻ってきて」
・・・
3月、初春の大型ヒラスズキ狙いで来島したS氏とW氏。
この日は効率よく広範囲のエリアを調査する目的で、私とW氏、S氏単独の2グループに分かれて各所ランガンする事にしました。
まだ真っ暗な日出前にS氏を目的地の漁港に降ろし、私とW氏グループは、そのまま目的のゴロタエリアへエントリー。
私たちは幸先よく良いサイズのヒラスズキとヒラマサをキャッチし、2人でワイワイ盛り上がりつつ次のポイントへ転進を開始しました。
すると突然S氏からの電話。
「すげーの釣れたよ。ちょっと見て欲しいわ」
我々は一旦合流する事にしました。
「こっちこっち」と手を振るS氏のところに車を回し、
私とW氏は車を降りてS氏に案内されるままゴロタを歩いたところ、
漂流物の発泡スチロールに入れられた、何やら橙赤色の魚体。

この対馬周辺の沿岸部においても、まことしやかに「居る」という噂されていたスジアラ。
その存在を見るのは初めてでした。
S氏によれば、突然沖に鳥山が発生し、すぐにヒラスズキタックルから
RunnerExceed 107BH Nano / Bait-Model
に持ち替えてポッパーで誘い、仕留めたとのことでした。
初めて見る実物の迫力に感動しながらも、私もいつか釣りたいと思っていただけに、どこか羨ましい気持ちも入り混じりながら、この日最後の目的地ポイントへ転進。
朝イチとは打って変わって凪。
潮止まりも重なって海にはあまりメリハリが無い状況でした。
エントリーポイントから500m離れた場所にあるゴロタ浜に面した突き出た磯に立つと、
約30m先に茶色い魚体らしきものがユラユラと見えました。
それが何かは分かりませんでしたが、Avarice 110MH にシンキングペンシルをセットしてフルキャストしたところ、茶色の魚体が追尾し、パクっとヒット。
ロッドを曲げ込んだ途端、相手も違和感からスイッチが入ったか、沖の沈み瀬に向かって猛烈な突進。ドラグが止まりませんでした。
「あの瀬にまかれたら終わる」と思ったときにはすでに遅く寸前まで及んでおり、ベールフリーにしてゴロタへ駆け降り、走りに走って角度を作り、やり取りを開始しました。
巻いては出されを繰り返しますが、ロッドのしなやかな曲がりと、波に乗った時に、少し強引に寄せられるバットパワーにより的確に相手をコントロールでき、少しずつ距離が詰まり、約5分後、ついに腰ほどの水深まで寄ってきました。
最後は左腕で抱えてランディング。
まさかの自分にも憧れのスジアラが釣れてくれて、歓喜で膝から崩れ落ちました。
澄んだ海水に洗われた赤い魚体、青色の斑紋模様が晴天と相まって綺麗なコントラストを描き出していました。


この日、都市伝説的に「居る」と噂されていた幻の魚を仲間とダブルキャッチできたことは一生の思い出となり、これを成し得たのは長年の相棒、張りと粘りが両立されたAvariceのおかげだと思っています。
長文&駄文になってしまいましたが、今後も信頼できるこのロッドで新たなメモリアルフィッシュとの出会いを探し歩こうと思います。


【Tackle data】
Rod:Avarice 110MH
Reel:STELLA 5000XG
※2025年現在、Avarice 110MH は廃盤となっております。
対馬では“幻”とされるスジアラ。その姿を目の当たりにしたときは、まさに感慨深い瞬間だったことでしょう。
スジアラは個体によって体色が大きく異なりますが、今回キャッチされた個体は見事なまでに真紅に染まり、その美しさには思わず見惚れてしまいます。
成長したスジアラは、ヒラマサやカンパチに匹敵するほどの強烈な遊泳力を持ち、あっという間に根へと潜り込んでしまいます。
そんな魚を Avarice 110MH で仕留められたということは、ロッドの性能を極限まで引き出す技術、そして「絶対に獲る」という執念があってこそ成し得たものだと思います。
本当に素晴らしい釣果です。
この1本との出会いは、きっと今後の釣り人生に大きな影響を与えたことでしょう。
釣り人にとって、人生を変える1本というのは誰しもが持っているものだと思います。
私にもそうした1本があります。
そのような貴重な出会いを通してアングラーは成長していくものですが、もしそれを Ripple Fisher のロッドを通じて経験していただけたのなら、それはまさにロッドメーカー冥利に尽きる思いでございます。
これからも変わらずご愛用いただけますと幸いです。
今後もご報告を楽しみにお待ちしております。












