ウグイと言えば、淡水のルアーフィッシングにおいてポピュラーであり、本命狙いのゲストとして扱われる事が多い魚です。
しかし、そのウグイの中でも別格な種類が居ます。
それが今回狙った[ウケクチウグイ]です。
北陸以南の方には馴染みの無い魚だと思いますが、東北~北陸の大河川のみに生息し、完全なフィッシュイーターであり、生態系ピラミッドの頂点に君臨する大型魚です。
平均サイズは50㎝~60㎝で、記録では80㎝に近くになる個体もいるそうです。
80cmのウグイ! これを聞いただけで背筋がゾクゾクするのは、私だけではないと思います。
私はこの話と写真を見た瞬間に体の奥底から「釣ってみたい」という強い欲求を感じました。
そこで実際に釣行のプランを立てていきましたが、ウケグチウグイは現在は環境省のレッドデータブックに記載される魚でもあります。
極めて希少価値が高い魚を狙う事に関しては、掛けたら確実にキャッチ出来るタックルを選ぶ必要があります。
ロッドは 「RealCrescent RC-81」を使用しました。
ルアーのフックはバーブレスにして、ダメージを最小限にして川へ帰す事も意識しました。
これは漁業ライセンス購入と同じくらい重要な事ではないかと思います。
そして釣行決行日、入ったポイントは、大岩があり淵と瀬が連続して現れる、まさに本流と呼べる流れが太くて強いエリアです。
3日連続で雨が降り、本流には強い濁りが入っています。
ヘビーシンキングのミノーを使い、流芯の底へルアーを送り込む方法で50㎝のサイズがヒットしました。
トラウトが定位するよりも流速が緩いエリアなので、体の大きさを考えると速い流れを好まないのかもしれません。
釣り上げた魚体を見て、文明が発達した小さな島国日本にこれだけ魅力的な魚が居てくれる事への感動を憶えました。
しかも身近な所でひっそりと生息しながら、豊富な餌に恵まれて大型化する事実には、何とも言えない感情が湧いてきます。
もっと昔を辿れば[生物の進化]と言う事が現れ、想像の範囲ですが、陸上昆虫や水性昆虫だけでは食が満たされないウグイが、小魚を捕食して満腹感を覚え、捕らえやすい様に口が大きく発達して、現在の[ウケクチウグイ]が誕生したのでは??と想像してしまいます。
日本3大怪魚[イトウ][ビワコオオナマズ][アカメ]に、[ウケクチウグイ]を加えて日本4大怪魚になる事を期待しながら川を後にしました。
翌日には、顔馴染みの釣具店で80cmシーバスの魚拓を見ながら、このサイズをいつの日にか手にしたいと、改めて自分の夢を再確認しました。
夢と妄想を膨らませるのは、釣り人の自由であり特権です。
だからこそ、釣りから離れられません。
この日本には、まだまだ釣りたい魚がたくさん居ます。次の魚へとシフトチェンジするタイミングが来ました。
ロッド・RealCrescent RC-81
リール・18ステラ2500S
ライン・VARIVAS スーパートラウトアドバンス8lb
ルアー・H.A.L 月虫55激沈
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猪俣さん、いつも刺激的なレポートありがとうございます。
思えば、今年のにいがたフィッシングショーにて猪俣さんにお会いした時、ウケグチウグイの話を聞き、私も非常に興奮したことを憶えています。
早速のチャレンジで釣果を得られたようで、流石であります!!
北陸、東北のフィールドにはまだまだ多くのロマンが秘められているようですね。数年前に新潟に行ったときも幻の「タキタロウ」を狙い続けているアングラーともお話をさせていただく機会があり、驚きと感動をもらいましたが、自分にとって未知な魚をタックルの組み立てから考えて釣行する時の高揚感は何にも代えがたいものです。
ちなみに、個人的には色々な魚を狙ってみるというスタイルはとても大切なことだと感じています。
文中にも猪俣さんが触れていますが、狙う魚をリサーチし、様々な要素を考慮してリリースのスタイルまで考えてタックルを構築して挑む、という一連の流れはルアーフィッシングの基本姿勢だと思います。少し面映いですが、魚への愛情ですよね!!
情報に溢れる世の中で、最も確実な情報は結局は自分で積み重ねる経験であることは間違いありません。そして、色々な魚を狙うと、「あれ? この魚のパターンはあの魚に似てるな」とか連動してくるものです。餌釣りの磯釣り師・底物師がソルトルアーを始めると上達が早いと言いますが、それも潮を読むという磯釣りの基本テクニックがソルトルアーにそのまま活かされるからでしょう。
同じく渓流釣りをしていると、河川シーバスの付き方がどう違うのかも見えてきます。また簡単に釣れるセイゴも、専門に狙ってみると意外に釣り続けることは難しいもの。外道と思っている魚を専門に狙ってみることで、見えてくるものは間違いなくあります。
う~ん、釣りに行きたくなってきました!! 私もリアクレ片手に近所の川に行ってみます!!