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【シーズン特集】 Vol.4「ジャイアント・トレバリー ファーストチャレンジの為に」

厳つい風貌や、想像を軽く超えてくる暴力的な引きは、まさにルアーフィッシング最高峰のターゲットとして君臨し、アングラーを魅了して止まない「ジャイアント・トレバリー」

ジャイアントトレバリーとは、熱帯・亜熱帯地方の海域に生息し、日本ではロウニンアジと呼ばれ、スクーバダイビングやアングラーの間では、頭文字を取り『GT』と呼ばれます。

ロウニンアジの由来は…漢字で「浪人鯵」と書き、単独で行動することが浪人の姿のようであるということから、または、えらぶたの筋が刀で切られたような形をしており、それが刀傷のある浪人をイメージさせることから名付けられたという説があります。

成魚は全長180cm・体重80kgにも達し、最も大きく、力強く成長する『GT』は大物を求めるアングラーにとって魅力的であり、一つの到達点ともいえるでしょう。

大物を目指しているのであれば、是非とも挑戦していただきたい魚種です。

しかしながら、生半可な覚悟での挑戦は絶対におススメできません。
想像以上の凄まじい引きをみせるGTは、全身全霊でファイトしなければならず、不慣れなファイトでは体を痛めたり、中途半端な気持ちで挑んでは後悔し、握りしめているロッドを手放し諦めたくなるほど暴力的です。
また酷暑であったり、ヘビーウェイトのタックルを一日中投げ続けなけらばならなかったりと過酷で、これほど体力を消耗する釣りは他にはなかなかみられません。

それでもなぜアングラーは『GT』に挑戦するのか?

大迫力のバイトシーンや、全力を振り絞り釣り上げたときの、えもいわれぬ達成感や感動に勝るものがないからでしょう!!

普通に生活をしていれば、力の限りを振り絞るシーンというのは、なかなか巡り合えません。しかしGTは、それをさせてくれる、そうしなければならない熱くなれる魚なんだろうと思っております!!

 

と、ちょっと熱くなってしまいましたが…
今回の特集では、ボートキャスティングで、カッコいい『GT』に初挑戦したいと考えているアングラーの皆様を後押しできるよう、できるだけ分かりやすく解説させていただきますので、興味のある方は最後までお付き合いお願いします。

まず最初にロッドを選定する上で重要な事とは

初めて挑戦される方で「デカいGTを狙ってるからファイナルスピリットが良いかな?」というご相談をお受けすることがあります。
これはGTタックルの選び方としてはNGです。
大型狙いだからといってヘビータックルにしても扱えなければ只の硬い棒です。ロッドは曲がり復元することで、そのポテンシャルを発揮できます。実際にGTの強烈な引きを受け止められず体を浮かされたり、逆に適正ドラグ値よりも緩くロッドに負荷を掛けられていなければ、全くもって意味はありません。
そのロッドの特徴やファイトスタイル、適性ドラグ値を理解し、タックル選択することで、GTとの距離はグッと近くなるはずです。

しかし注意して頂きたいことは、GTを始めとしたビッグゲームは落水などの危険も伴います。まずは自分が使いこなせるパワークラスのロッドをお選び下さいませ。

では、まずは何を基準にすべきかというと

・使用頻度の高いプラグの種類
・自分の体格・体重

この2つです。

まずはプラグの代表格として、
・ダイビングペンシル
・ポッパー

このプラグのどちらをメインに使用するかで、ロッドの調子が変わってきます。

ダイビングペンシルメインならば、ティップのハリが強すぎず、水に馴染ませやすい、しなやかなティップの調子が使いやすいです。
ポッパーメインであれば、水の強い抵抗を受けるプラグを動かすために、ティップまでハリが強い調子のロッドがしっかりとアクションできます。
シンキングペンシルはロッドの調子にとらわれにくいですが、ジャークを入れるのであれば、ポッパー向きのハリがあるロッドが良いでしょう。

※ダイビングペンシルのサイズは200mm~240mmがGTではメインになりますので、このサイズを数本準備しておけばよいでしょう。

次に自分の体格・体重ですが、

GTとのファイトの際は腕力は言わずもがな必要です。ないよりもあったほうがもちろん良いですよね。しかし、GTを止めるとき、そしてリフトするときは、上半身だけのファイト、つまり腕力だけでは腰や腕、握力などの消耗が激しく長続きしません。
GTとファイトする上で大切なことは、うまく自分の体重を利用し全身を使った重心移動でファイトを心がけることです。実際にファイトしている動画を見ればわかりますが、リフトの際は重心を落とし、バランスを取りながら体を倒して巻きしろを作る。この一連の動作は自分の体重を最大限に利用するので、ロッドの強さごとに推奨体重を設定しております。

※この辺りはGTとファイトしている動画を見られ勉強してみたり、実際にロッドをギンバルにさして、土嚢などを引っ張ったりイメージトレーニングしてみるのも良いでしょう!

(※ロッドはRunnerExceed 100SXHです。)

これらを前提に、リップルフィッシャーのGTロッドを解説致します。

リップルフィッシャーのGTモデルのラインアップとして
『Ultimo』『OceanRidge』シリーズがあります。

『Ultimo』はシリーズの特徴として、優れたキャストフィールとプラグの操作性にこだわり、1日中誘い出しをしても疲れが溜まりにくい軽快さを持っています。また、しなやかなティップはダイビングペンシルの操作に特化しており、海面の状況に影響されにくいオートマチック性能もあわせもっています。Ultimoシリーズは強靭なパワーのなかに、扱いやすさを融合したシリーズです。
※Ultimoシリーズのポッパーのアクションはロングジャーク推奨です。激しくスプラッシュアクションさせる場合はOceanRidgeシリーズをご使用下さい。

『OceanRidge』シリーズは、全てのロッドにおいて大型GT専用設計であり、50㎏を超えるGT に真っ向勝負を挑みリフトする為のパワー・ハリの強さを持たせております。また1機種ごとに、それぞれの異なる性格があり、非常に面白いシリーズです。また、ハリの強さからラインスラッグを利用したダイビングペンシルのマニュアルな操作性や大口径ポッパーを鋭くスプラッシュアクションさせることに優れています。調子もレギュラーテーパーで高負荷を掛けるとファイト時の支点が低くなり、よりバットパワーを活かせるブランクです。最初はクセの強さを感じるシリーズですが、使いこなせば唯一無二の武器になります。
※今回のタイトルはGTのファーストチャレンジなので、OceanRidgeシリーズからは初めての方でも扱いやすいReversal GT80 Nanoのみを抜粋してご紹介いたします。

 

では実際にどのロッドが実際に使用するプラグや体格・体重に合うのかを当てはめていきましょう。

まずは、
体重が~55㎏程度でダイビングペンシルメイン
・Aquila EX 83-6・MST 85-7+・711-8+
・Ultimo 711ML・83ML

体重が~65㎏程度でダイビングペンシルメイン
・Ultimo 711ML・83ML
・Ultimo 79M Nano・83M Nano
・Ultimo 80MH Nano

体重が65㎏~でダイビングペンシルメイン
・Ultimo 82H Nano・710H Nano
・OceanRidge Reversal GT 80 Nano

次に、
体重~65㎏程度でポッパーメイン
・Ultimo 79M Nano
・Ultimo 80MH Nano

体重65㎏~程度でポッパーメイン
・Ultimo 82H Nano・710H Nano
・OceanRidge Reversal GT 80 Nano

上記がだいたいの目安になります。やはり大型魚とのファイトにはウェイトがあるほうが安定しますので、よりパワーのあるロッドを扱いやすくなります。

次は、上記のロッドをモデルごとに解説いたします。

【Ultimo711ML・83ML】

ルアーウェイト:Max 150g ライン:Max Pe6号 ドラグMax:12㎏ / 45°
Anglers Weight:711ML 50㎏~ 83ML  55㎏~

MLの2機種は、Uitimoシリーズで最もしなやかなブランクであり、ロッド全体で曲がりタメが効く調子に設定しております。ファイトスタイルは腰を落とし真っ向勝負をして浮かせるよりも、ファイト時のタメを優先しております。腰の位置が高くても、曲がりの支点が体に近いので耐えやすくファイト時の負担が軽減されるロッドです。また、海面が荒れ船が大きく上下するようなアングラーサイドに不利な状況であってもラインテンションが抜けにくいので、じっくりと安定したファイトが可能です。しなやかな曲がりが特性であるために、この2機種にはナノ素材は使用しておりません。
メインで使用するルアーは80∼150gまでのダイビングペンシル、小口径ポッパー・スリムポッパーのロングジャークにはベストマッチです。
パワーやルアーウェイトなどのスペックは非常に似ている2機種ですが、この2機種のロッドレングスには7∼8センチの差がありますので、飛距離重視で大型船ならば83MLを、取り回し優先であったり細身の方や女性の方、船が小型であればショートレングスである711MLがおススメです。

 

【Ultimo79M Nano・Ultimo83M Nano】

ルアーウェイト:Max 160g ライン:Max Pe7号 ドラグMax:13㎏ / 45°
Anglers Weight:79M 55㎏~ 83M  60㎏~

MLクラスよりもハリが強く、シャープなブランクですが、こちらも負荷が掛かればマイルドなベンドカーブを描く、タメが効く調子なのでファイト時の負担は軽減されます。そしてMLクラスの特性をそのまま引き継ぎ、Pe8号まで対応可能なので、止めなければならないシーンでは腰を落とし止めることもできます。
また、ナノ素材を使用することで、ロッドの収縮力が強くなり、キャスト、アクションなどMLクラスのライトでシャープな使用感ながらリフト力の向上を追求したモデルです。
使用ルアーは80∼160gまでのダイビングペンシル(200~240㎜)、小口径のスリムポッパーのポッピングにおススメです。

83Mは、キャストフィールや操作感、パワーのバランスが高次元でまとまっており、クセのないモデルです。ダイビングペンシルの操作感はかなり良く仕上がってます。
79MはUltimoシリーズで最もショートレングスなので取り回しが良く、キャストも83Mと比べよりシャープです。Mクラスの中では、ティップにハリを持たせておりますので、小∼中口径ポッパーの出番が多いならば79Mがおススメです。

※UltimoML~Mクラスまではマイルドな設定で、体の負担が少ないですが、スピーディーな展開にはやや欠けます。フッキングした後にGTをある程度走らせられるような所での推奨です。GTファーストチャレンジの方、小柄な方や女性の方にも扱いやすいおススメのモデルです。

 

【Ultimo80MH Nano】

ルアーウェイト:Max 170g ライン:Max Pe8号 ドラグMax:14㎏ / 45°
Anglers Weight:60㎏~

Mクラスよりも更にハリを強めたモデルで、ややマニュアル寄りの操作感です。
8ftのショートレングスでハリのあるブランクは引き抵抗の強い220~240㎜クラスのダイビングペンシル(80∼170g)や中口径ポッパー、ダイビングポッパー等を軽快にアクションさせやすいブランクです。しかし、ヘビーウェイトのシンキングペンシル等のジャーキングは少々ティップが入ってしまいますので、高速巻きメインの操作推奨です。
また80MHはレングスやパワー設定が標準体形(170㎝ / 65㎏)の日本人男性が最も扱いやすく、キャストからファイトにおいてパワーを引き出しやすい、GTをターゲットとするUltimoシリーズの中で最もスタンダードなモデルです。
GT狙いに1本だけ選ぶのであれば、ルアーの使用範囲や対応プラグが広く、スタンダードモデルである80MHをおススメします。

 

【Ultimo82H Nano・Ultimo710H Nano】

82H Nano ルアーウェイト:Max 180g ライン:Max Pe8号 ドラグMax:14㎏ / 45° Anglers Weight:65㎏~
710H Nano ルアーウェイト:Max 220g ライン:Max Pe10号 ドラグMax:15㎏ / 45° Anglers Weight:65㎏~

Ultimoシリーズで最強のパワーを誇る50㎏オーバーを狙う2モデルです。
82Hは220∼260㎜(100∼180g)のペンシルの操作性が最も優れたモデルで、ストレスなくキャスト・アクション・ファイトまで行えます。
中口径ポッパーもポッピング可能ですがレングスが長く、ティップもペンシル向けで若干ソフトですので強めの入力をした際にティップが入り過ぎていると感じる事がありますのでロングジャークメインでお考え下さい。
710Hはダイビングペンシル、シンキングペンシルやポッパーを交えてGTを狙うのであれば最適です。ハリが強いブランクは中口径のポッパーを軽快に弾くことができ、ダイビングポッパーの引き抵抗の強いダイブアクションもショートレングスなので負担も軽減されます。ダイビングペンシルも、ややハリは感じますがUltimoならではのアクション入力のしやすさでストレスは感じません。キャスト、操作時はハリが強いブランクですが710Hは負荷が掛かれば支点が手前に移行することで50㎏クラスのGTの強靭な走りにも耐えやすいロッドです。

 

【OceanRidge Reversal GT80 Nano】

ルアーウェイト:Max 170g ライン:Max Pe8号 ドラグMax:14㎏ / 45° Anglers Weight:65㎏~

100∼170gまでのダイビングペンシルや中口径ポッパーのキャスト・操作に優れたモデルです。オーシャンリッジの中ではキャスト~ファイトまでの使用感が一番ライトでありながらも安定感あるので、このシリーズの1本目として選ぶ方にはおススメです。
ハリは感じますが240㎜のダイビングペンシルもアクションしやすく、シンキングミノーのジャークも対応し、オールマイティーにルアーを使いたい人向けです。
パワー・スペック的にはUltimoのHクラスに近いですがOceanRidgeシリーズはUltimoと違い硬さがありますので、重心移動によるリフト力を発揮できるモデルです。
扱いやすいモデルではありますが、50㎏オーバーのGTを見据えたOceanRidgeシリーズの中の1本です。ファーストチャレンジでしたら体格が大きい方やヒラマサやキハダなどのビッグゲームの経験者で、ヘビータックルに慣れている方におススメ致します。

 

GT用ではありませんがGTでも使用できるモデルとして
『Aquila EX83-6』1機種『Aquila MST』2機種も解説させて頂きます。

【Aquila MST 85-7+・711-8+・EX83-6】

EX83-6 ルアーウェイト:60-120g ライン:Max Pe6号 ドラグMax:10㎏ / 45°
MST85-7+ ルアーウェイト:40~120g ライン:Max Pe7号 ドラグMax:14㎏ / 45°
MST711-8+ ルアーウェイト:80~180g ライン:Max Pe8号 ドラグMax:16㎏ / 45°
Anglers Weight:設定なし

Aquilaは本来はブリ・ヒラマサ・キハダマグロなどを狙うボートキャスティングモデルです。
Ultimo MLクラスよりもライトになりますので、細身の方、女性アングラー、体力に自信のない方におススメ致します。

Aquila EX 83-6

Aquilaシリーズの中で最もハリが強いモデル。220mmクラスまでの中型ダイビングペンシルの細かい操作や、小口径ポッパーにキレのあるアクションを吹き込めるロッドのハリがあります。ハリは強いがヒット後は3ピースモデルという事を感じさせないベンドカーブです。
また、3ピースのパックロッドであるため国内・海外遠征の携行性に非常に優れます。

Aquila MST 85-7+・711-8+
MSTシリーズは大型ヒラマサに特化したモデルです。このモデルの特徴として強靭なパワーを持ちながらも曲がりの支点が低く体に近く、容易にタメを効かせることができる、扱いやすいハイパワーロッドです。GTに対しても、ドラグを締め高負荷でのファイト可能で、GTの急な突込みにもバランスを崩しにくく耐えやすい、そして安心してファイトできるモデルです。

しかし、Aquilaシリーズは扱いやすさを引き換えにGTのリフト力を少々犠牲にします。
ヒラマサと違い、体が平べったく水の抵抗を大きく受けるGTは、重心移動を駆使しリフトする必要がありますが、その時にAquilaシリーズでは少々タメが効きすぎて、状況によってはキャッチするまでに時間がかかってしまう場合があります。

120gまでの中型ダイビングペンシル・小口径ポッパーを使用し、マニュアル性、ハリがあるモデルがお好みならば、EX83-6。
120gまでの中型ダイビングペンシルメインで、よりタメの効く調子がお好みならば、MST85-7+。
180gまでの大型ダイビングペンシルや小~中口径ポッパーであれば、MST711-8+でご選択下さい。

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※ポッパータイプは下記の商品などを基準にしております。
小口径ポッパー:HAMMER HEAD / C-cup DUEL / BIG BLUE BULL POPER
中口径ポッパー:HAMMER HEAD / D-cup・E-cup・SHAKURE
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機種の説明は以上となりますが、今回はリップルフィッシャーのGTモデルは全機種ご紹介できておりません。あくまでもファーストチャレンジで扱いやすいロッドという事で、機種を絞ってご紹介をさせて頂きました。先の特集でGTについて書く機会があると思いますので、その時に残りの機種の解説をしたいと思います!

そして、今回紹介しましたタックルはあくまでも一つの目安として参考にされて下さい。実際に紹介させて頂いたタックルよりライトなPe4号のタックルで50㎏に迫るGTをキャッチされている女性アングラーもたくさんいらっしゃいます。

また、釣り全体に共通することですが、特にGTはかなりの危険を伴います。釣行される際は、自分のパフォーマンスが120パーセント発揮できるように、体調管理はもちろん、ギンバルであったり、スリップしにくいシューズ、快適なウェア等の道具もしっかりとご準備された上で、事故のないように挑戦をお願い致します!

最後に、GTフィッシングはルアーフィッシングの中でも過酷なジャンルです。しかし、きつく苦しいファイトを経てキャッチした一尾はサイズ関係なく、嬉しいものですし、ずっと心に残る事でしょう。
また、仲間同士はもちろんですし、初めて出会った同士であっても喜びを分かち合うことができるGTフィッシングは、とても魅力が詰まっています。

皆様も是非、そんな素敵なGTフィッシングに挑戦されてみてはいかがでしょうか。

 

YouTube リップルフィッシャーチャンネル
https://www.youtube.com/user/infoRippleFisher/videos
ご紹介しました機種の動画がありますので、ご参考にされて下さいませ。


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