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【シーズン特集】vol.8 「リアルクレセント・シリーズコンセプト解説」

●リップルフィッシャーとリアルクレセント
このレポートを書いている5月2日では、春も既に終盤、そろそろ初夏の香りもしてくる時期です。本来ならばGWの期間中は様々な釣り物を狙う釣り人が各地のフィールドで溢れるはずが、今年は思いも寄らない新型コロナウィルスとの戦いにより、釣りに行くこともままならない状況になってしまいました。
しかし、落ち込んでばかりもいられませんし、リップルとしても何らかの情報は発信していきたい!! ということで、今回はリップルフィッシャーのライトゲームロッドシリーズ「リアルクレセント」について、少し深く解説してみようと思います。
リアルクレセントというシリーズはどういうコンセプトのモデルなのか? 他メーカーのシリーズと比べてどう違うのか? という質問を多く受けます。確かに現在のライトゲームは細分化され、市場には多くのライトゲーム用ロッドが溢れています。
他社のモデルとの比較に関しては主観で大きく違うものですので、私達が語ることはできませんが、今回はリアルクレセントというシリーズのコンセプトとモデルチェンジの流れから進めていきます。

扱いやすくて「強い」ものを
皆さんはリップルフィッシャーというブランドイメージとして「強さ」が念頭に来る方が多いと思います。これは私達が繰り返しアピールしてきたことですし、実際にGT・クロマグロといったビッグゲームに注力してきました。
余談にはなりますが、リップルフィッシャーというメーカーのスタートは屋久島の漁師さんからの「大きいカンパチにも折れないロッドを!!」というニーズに応えたYAKU-Specialというグラスソリッドのジギングロッドを制作したことに遡ります。
どうしても獲れない魚を獲るためのロッドを追い求めることから、単に強いだけでは人間が耐えられないという問題を超え、強くて扱いやすいモデルを生み出すことがリップルフィッシャーのブランドコンセプトになりました。投げやすく、魚とのファイトで有利になる溜め、そして突発的な大物やアクシデント時にアングラーをサポートする強さこそ私達がロッドに求めるものです。

例えライトゲームロッドであろうと、常に限界に挑戦できるだけのパワーを秘めるロッドというコンセプトは変わりません。必要ないほどの強靭さとパワーを持たせたライトゲームロッドがリアルクレセントです。そのためにカーボン素材にナノアロイ®テクノロジーを導入し、トルザイトリング仕様にしています。

ロッドの性能としては、ごく当たり前のことなのですが、アングラーがロッドを気遣って使うのではなく、ロッドがアングラーを確実にサポートするためには、反応速度を上げる「扱いやすさ」と勝負に出ることができる「強さ」を高次元で融合する必要があります。荒れた海や、足場の厳しい磯場でこそ、そういった基本性能の高さは必要になります。
では、そこまでハードな状況を想定することが少ないアジやメバルと言ったライトゲーム用のロッドをリップルフィッシャーがリリースしたのは何故かと言えば、ライトラインが進化する中で、この釣りは多魚種が狙っていける挑戦的なジャンルだと判断したからです。つまり、ターゲットに特化するのではなく、ライトラインを使用して小物から限界を超えるような大物までロッド1本でこなしてやろう!! というのがリアルクレセントのスタートで目指したコンセプトでした。
やはりリップルフィッシャーがロッドに求めるのは第一に強さであり、それはGTでもライトゲームロッドでも変わりません。リアルクレセントに関してはライトゲームの範疇を超える強さをブランクに求め、自由なスタイルで様々なターゲットを狙っていけるポテンシャルを持たせつつ初代モデルの開発はスタートしました。

リアルクレセント初代モデル
そういった流れで開発されたリアルクレセントの初代モデルは3本+限定生産1本でした。

2012年リリースモデル
RealCrescent 71SR / Short Range
RealCrescent 76WR / Wide Range
RealCrescent 81LR / Long Range
RealCrescent 72 SurfaceMaster (限定モデル)

このショートレンジ・ワイドレンジ・ロングレンジというサブネームがリアルクレセントのコンセプトを表しています。ジグ単ならば71ショートレンジ、プラグやメタルジグを使うならば76ワイドレンジ、より高負荷なシチュエーションを遠投して狙うなら81ロングレンジといったイメージで、調子ではなく、あくまで狙いたい魚のいる範囲でロッドを選択するという考え方でした。
ちなみに限定で発売された72 SurfaceMasterはオール40tカーボンを使用したトップゲームに特化したモデルで、非常に面白いロッドでした。当時盛り上がっていたトップチニングやトップシーバスにおいて、飛距離と操作性、高感度に特化したモデルです。陸っぱりからボートゲームまで扱いやすいモデルでした。尖りすぎたせいで、ブランクもピーキーな設計で残念ながら一回の生産しか行われなかったレア中のレアモデルとなっています。
個人的にも購入して最も使い倒したのは76ワイドレンジでした。アジ・メバルだけでなく小河川のシーバスや、港湾部の五目釣りで活躍しましたね~。またロングレンジ81は大型メバル用以外にエギングでも軽快でシャープなジャークを入れやすい調子でファンが多かったモデルです。
この初代モデルですが、昨今のモデルから考えるとティップまで張りが強く、3機種ともより大物を目指すアングラーには評価されましたが、やはり特殊なモデルであったのは確かです。
後にジグヘッドモデルである611JH、65JHをリリースし、更に潮流場の大物狙い用に74Seriousという非常に張りの強いモデルも登場しました。しかし、シリーズの柱は初代の71SR、76WR、71LRに集約されていたといっても過言ではないでしょう。

このレポートを書いている私もフェイバリットモデルとして76ワイドレンジは使い倒しました。調子に乗ってシーバス狙いのメイン実機として使用し、ラインの限界を味わったことも数知れず…。しかし、それはロッドやラインのせいではなく、腕のせいであると後々実感させられたのでした。写真は私の釣果ではありません。

リバースモデルとして2018年春にリリースされたNew RealCrescentシリーズ全7機種。スピニング4機種、ベイト3機種の構成でメインコンセプトは高汎用性能、キャスタビリティーとなった。ここでいう高汎用性能とは、もちろんパワーと強靭さも併せ持つものです。

現行リアルクレセントのコンセプト
そして2017年に現在のリアルクレセントへと生まれ変わったのですが、開発コンセプトはより細く強靭になったPEライン使用を念頭に、さらなるテクニカルな性能を高めるというものでした。もちろん、当初から絞ったラインナップで各モデルに高い汎用性能を持たせることは決定事項でした。
具体的に言えば「シャープな使用感」「キャストフィール」に特化した高汎用性能モデルが、新しいリアルクレセントのコンセプトになります。もちろん、最もライトなRC-55でさえ、このクラスでは不必要なほどバットパワーは持たせています。
繊細さを追求し、細分化されたラインナップもライトゲームロッドでは魅力ですが、リアルクレセントではその部分は最初から考えておらず、初代モデルと同様に1本である程度はなんでもこなせるように考えています。だからこそ、キャストフィール、リリースポイントの広さという点には徹底的にこだわりました。
更に高感度性能と高い操作性を持たせるためにブランクは極力、シャープな仕上がりになるように仕上げています。このあたりは弊社の設計技術の粋が発揮された部分だと自負しています。シャープなキャストフィールで投げやすいという点は、他のリップルフィッシャーロッドを持っている方ならばイメージしやすい点だと思います。
まとめますと、現行のリアルクレセントについて、「リアルクレセントって、どういった特徴があるんですか?」という質問に対しての私達の答えを箇条書きで言えば…

01. シャープな使用感
02. シャープで軽快なキャストフィール
03. 様々なポジションやフォームでも投げやすい幅広いリリースポイント
04. ライトゲームの範疇を超えたパワーを持つ
05. 1本で色々なルアーやリグをこなしたい場合にオススメ

というものになります。

●現行リアルクレセントの機種別解説
では、新しいリアルクレセントのラインナップがなぜ、この7機種の構成になったのかをお話しさせていただきます。
現行のリアルクレセントはスピニングモデル4機種にベイトモデル3機種となっていますが、レングスの違いは単なるパワークラスの差ではなく、ロッド単体のコンセプトが別のものになっています。そこで、機種別の個性と特徴を以下にピックアップしていこうと思います。

 

RealCrescent RC-55(Spinning model)
Lure: JH0.2~3g Line: PE0.2~0.4/FC-NY ~3lb
ジグ単をメインにして高いレスポンスを求めたショートモデル
ワンハンドでキャストしやすく、港内の小場所をレスポンス良く撃っていくゲームに適している。スムーズにブランク全体で曲がるが、シャープな反発力も持つので、ジグ単だけでなく軽量プラグも使いやすい。
ターゲット/アジ・メバル
RC-55はシリーズで最もショートレングスであり、高反発なブランクです。細身で大きく曲がる設計ですが、使用感は非常にシャープです。RC-55は渓流トラウト用としても使用できますが、ストリーム系では少し弾きが強い調子です。ヘビーシンキングミノー等であればベストマッチです。

 

RealCrescent RC-65(Spinning model)
Lure: JH0.3~0.6g/Plug1.8~4.5g Line: PE0.2~0.4/FC-NY ~3lb
ジグ単・軽量プラグを使用したオールマイティーモデル
このRC-65がリアルクレセントの中で最もベーシックなライトゲームモデルであり、最も高い汎用性能を持っています。オーバーヘッド、サイド、アンダーと様々なフォームで軽快にキャストしやすく、アジ・メバル用の様々なリグやメソッドを使いこなせます。
ターゲット/アジ・メバル

※RC-55、RC-65の2本がスピニングモデルではアジ・メバル用の基本ラインナップとなります。アジ、メバル用の基本モデルとしての性能はこの2本がジグ単や軽量プラグのただ巻きに優れたブランク性能を発揮するからです。もちろん、ライトワインド等も可能ですが、やはり軽量なジグ単やプラグをただ巻きで食わせやすいかどうかが、レンジを刻むアジ・メバルでは重要と考えています。この2本が軽量ルアーを使用して全層を探るのに適したスピニングモデル2機種と考えて下さい。

 

RealCrescent RC-75(Spinning model)
Lure: Rig2~14g/Plug2.5~11g Line: PE0.3~0.8
シャープで張りの強いティップが特徴のアクション重視モデル
このRC-75はシリーズ中で最も張りの強いモデルです。よって、汎用度は高いものの、オススメはボトムコンタクト系のゲームがおすすめです。ライトテキサスやワインドをピンピンと跳ねさせたりスイミングさせやすく、動きで誘うタイプのゲームで進化を発揮します。ボトムメインのゲームに向いたロッドではありますが、その張りとパワーからトップチニングにも相性は抜群です。
ターゲット/アジ・メバル・クロダイ・シーバス

RC-75はシリーズ中で最も張りの強いモデルであり、ボトムでのチヌ、ライトリグ・ロックフィッシュ、またレスポンスの良いポッピングやペンシルウォークを得意とするためにトップチニングにもベストマッチです。

 

RealCrescent RC-81(Spinning model)
Lure: 2~17g Line: PE0.4~0.8
リグ系の遠投&ただ巻きに特化しつつ、プラグも得意なロングレングスモデル
シリーズ中では最もロングレングスであり、シンカーキャロ・フロートリグといったリグ系の遠投をメインに設計されたモデルであり、75に比べると遠距離におけるただ巻きでの使用感に優れています。またシンキングペンシルやミノーの遠投性能や使用感も良好なので、そういった巻き系のゲームに向いたモデルとなります。
ターゲット/アジ・メバル・クロダイ・シーバス

RC-81はレギュラーテーパーの素直な曲がりが特徴的なブランクであり、パワーモデルでありながらナチュラルなミノーのトレースを得意とします。キャロ系も得意としますが、やはりオススメは各種プラグ類です。

 

RealCrescent RC-57(Bait model)
Lure: 0.5~5g Line: PE0.2~0.5
ジグ単とプラグに適したベイトモデル・渓流トラウトもOK
RC-57はショートレングスながらしっかりと曲げて投げることが可能なベイトモデルです。0.5g以下の軽量なジグ単はフリーフォールメインなので向きませんが、0.5g以上のジグ単を使用してテンションドールや送り込みなどを多用するゲームには最高の使い心地です。また小さなモーションでのサイドキャストもしやすく、源流域のトラウトのミノーイングにも扱いやすいです。
ターゲット/アジ・メバル・渓流トラウト
RC-57はベイトフィネス用のモデルになりますが、やはり1g以上のリグを使用してのハイレスポンス&スピーディーなアクションで誘うゲームで真価を発揮します。送り込み、カーブフォール、ただ巻き時の感度こそベイトモデルの利点が実感できるでしょう。

 

RealCrescent RC-67(Bait model)
Lure: 0.8~8g Line: PE0.3~0.6
キャストフィールに徹底的にこだわったマルチ・ベイトモデル
このRC-65に関しては基本はアジ・メバルを想定しつつ、ジグ単・プラグ・ジグなどを扱いやすいようにファースト気味に調子を整えてありますので、アングラーの自由に使って欲しいモデルです。個人的にもトップクラスで投げやすいライトゲーム用のベイトモデルとして欠かせない1本です。プラグが特に楽しいですね。
ターゲット/アジ・メバル
ベイトフィネス全般のゲームで最も必要な性能としてキャストフィールに徹底的にこだわったモデルがRC-65です。現行のフィネス用のリールの高性能は言わずもがなですが、よりストレスフリーなベイトゲームを堪能できます。

 

RealCrescent RC-77(Bait model)
Lure: 2~15g Line: PE0.4~0.8
ボトムゲームに特化したパワーベイトモデル
RC-77に関してはアジ・メバル用のロッドではなく、ボトムに特化したチヌやロックフィッシュをメインとした調子になっています。チヌのボトムずる引き、ロックフィッシュのテキサスリグ&ヘビージグヘッドといった、ボトムをメインとした誘いと探りに特化し、張りとパワーを調整しています。ライトゲームを超えるパワーを持っていますが、ファイト時にはスムーズな曲がりに移行するので強すぎると言った印象は持たないでしょう。
ターゲット/クロダイ・ロックフィッシュ
クロダイやロックフィッシュをメインとしたロッドの場合、フッキングをシャープに決めることのできるブランクの張りと反発力、バットの強さは必須です。RC-77はライトラインを使用して繊細かつパワフルなゲームを展開するためのモデルです。

 

以上、駆け足ではありますがカタログやホームページには載っていないリアルクレセントの解説を主観混じりでお届けしました。
リアルクレセントは、正直なところライトゲームロッドでありながら、分不相応なパワーを持ったモデルですが、現行モデルの使用感は決してゴツくありません。軽く、シャープなブランクは手に取るとそこまでのパワーを感じないかもしれません。
しかし、硬いロッド=強いロッドではなく、軽量で曲がるロッドで「強い」というのが私達が全てのロッドに求めるものであり、リアルクレセントはそれを最も強く体現したモデルであるとも言えます。
軽く汎用性能と言っても、そこには「強さ」が伴わなければ意味がありません。どんなに曲がっても、単なる曲がった棒になっては魚は浮いてきません。曲がるほどに引き出される反発力という、リップルの芯であるブランク性能をぜひ「リアルクレセント」で感じて欲しいです。

製品ページはこちらから
https://ripplefisher.com/product/shore-game/realcrescent-new

リアルクレセントの実釣動画はこちらから
https://youtu.be/8sRf0JFVZfs

https://youtu.be/oV89ot0oRMw


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