【シーズン特集 vol.9】
2020年度版ランナーエクシード青物用ベイトロッド推奨リール
近年のショア青物ゲームはタックルの進化と共に、アングラーのゲームスタイルもより柔軟に可能性を追求できるようになり、新たな局面へ入ってきていると感じます。
リップルフィッシャーとしてはラインナップの強化として2020年度には、大型青物とのやりとりに特化して設計されたRunnerExceed110H Nano PlugModelを投入しました。110Hの特色はパワーと軽さ、そしてプレッシャーの掛けやすさとの融合を追求した点にあります。
そして、その思想は実はベイトモデルにも込められています。魚に対してプレッシャーを持続して掛け続ける、レスポンス良く負荷の強弱を切り替えるなど、基本的にはファイトの可能性をスピニングタックルとは別の方向性で追求しているわけです。
ベイトタックルとスピニングタックルのメリットとデメリットは両方に数多くありますが、ベイトタックルに関しては青物用として日本市場に安定して購入できるものが少ないという点が決定的に敷居を上げているのは事実です。
しかし、最近になり、スタジオオーシャンマークからキャスティング用レバードラグリールがリリースされたり、選択肢としてのベイトタックルも身近になってきたと感じています。それでもコアアングラー向けのスタイルであることは間違いありませんが、リップルフィッシャーとしてはこれからもショア青物ゲームの選択肢としては追求していきますし、それだけの可能性のあるスタイルだと確信しています。
そこで、今回は2020年度版として、ランナーエクシードシリーズのベイトモデル用の推奨ベイトリールを、国内市場で購入できるものに限定してピックアップしてみました。
モデルはRunnerExceed 107BH Nano、105BHH Nano、FINAL STAND UP 105BXHの3機種毎に説明しています。
ショア青物のベイトタックルスタイルに興味のある方は参考にしてみてください。
・RunnerExceed 107BH Nano
Spec/ Lure:50~130g Line: Max PE6 DragMax: 8kg
107BHは15kgアップのヒラマサと対等以上に戦えるパワーを持ちながら、ヒラスズキ用のミノーもキャストできる汎用性能を持ったモデルです。青物用にPE6号をセットしたLDリール、サブにPE3号を巻いたロープロタイプを持って行けば、ロッド一本で大型青物から、小型青物やヒラスズキ、ロックフィッシュまで楽しめます。
大型青物を視野に入れたゲームではPE6号を200m以上巻けるリールを推奨しますが、ライト~ミドルゲームではライト気味のロープロリールに3~4号を入れて使用もできます。
<107BH・推奨リール>※表記価格は税抜です
【DAIWA】
◆幻覇王 石鯛 LIGHT 20H (レバードラグ・レベルワインダーなし・右巻きのみ)
本体自重 470g / 糸巻量 PE6号300m / DragMax: 約8kg / 価格56,800円
【SEIGLER 】
◆SG(レバードラグ・レベルワインダーなし・左右あり)
本体自重 約345g / 糸巻量 PE8号280m / DragMax: 約12.7kg / 価格33,000円程度
※シグラーはアメリカのリールメーカーですが、国内正規代理店があります。
【StudioOceanMark】
◆BHL50Hi/MAG BRAKE(レバードラグ・レベルワインダーなし・左右あり)
本体自重540g / 糸巻量 PE6号300m / DragMax: 12kg / 価格88,500円
※キャスティング用としては珍しいナロースプール採用で均等に巻きやすく、更にマグネットブレーキ搭載で投げやすい。(70g以上のルアーがオススメ)
【AbuGarcia】
◆REVO TORO ROCKET(スタードラグ・レベルワインダーあり・右巻きのみ)
本体自重414g / 糸巻量 PE4号270m / DragMax: 約12kg / 価格32,000円
【tailwalk】
◆ELAN SUPER WIDE POWER 71B(スタードラグ・レベルワインダーあり・左右あり)
本体自重450g(S):455g(W) / 糸巻量 PE4号270m / DragMax: 約14kg / 価格25,000円
・RunnerExceed 105BHH Nano
Spec/ Lure:MAX160g Line: Max PE8 DragMax: 10kg
105BHHは大型青物に特化したモデルで、大型ヒラマサやカンパチ、更にロウニンアジやイソマグロと言った超大型ターゲットとも渡り合えるパワーモデルです。
105BXHと比べると粘りが強くなっており、ガチンコ勝負だけでなくロングリーダーとハンドドラグを駆使した負荷を持続させての長期戦もしやすいモデルです。
・RunnerExceed FINAL STAND UP 105BXH Nano
Spec/ Lure:MAX180g Line: Max PE10 DragMax: 10kg
105BXHは磯や防波堤からのロウニンアジやイソマグロ、カンパチ等を狙うスーパーパワーロッドです。ロッドのクラス的には105BHHと105BXHは非常に近いですが、105BXHの方が張りと硬さがあり、パワーでのガチンコ勝負も掛けやすいモデルです。
もちろん、GTをメインに想定したモデルですが、荒磯のシャローで狙う大型ヒラマサにもオススメします。ある程度の体力と経験がなければ使いこなせないロッドですが、しっかりとロングリーダーを組むことで衝撃はかなり緩和されますので、実際の使用感はPE10号クラスにすればマイルドと言えるでしょう。
105BHHと105BXHの推奨リールは同じで、基本的にはPE8号を200m以上巻けるリールを推奨します。
<105BHH / 105BXH・推奨リール>※表記価格は税抜です
【StudioOceanMark】
◆BHL50Hi/MAG BRAKE(レバードラグ・レベルワインダーなし・左右あり)
本体自重540g / 糸巻量 PE6号300m / DragMax: 12kg / 価格88,500円
◆BHL80Hi/MAG BRAKE(レバードラグ・レベルワインダーなし・左右あり)
本体自重605g / 糸巻量 PE8号300m / DragMax: 15kg / 価格97,000円
【SEIGLER 】
◆LG(レバードラグ・レベルワインダーなし・左右あり)
本体自重 約574g / 糸巻量 PE6号460m / DragMax: 約15.8kg / 価格48,000円程度
※PE8号を入れる場合、最低でもドラグマックス10kgは掛けられるリールを使用したいところですが、上記のリールは全て問題ありません。
以上がランナーエクシードのベイトモデルに推奨する各メーカーのベイトリールです。
国内市場での現行品ですので、ショップや通販で確実に探せますし、また修理対応などのアフターサービスも安心です。
特にスタジオオーシャンマークのBHL50Hi&80Hi/MAG BRAKEはショア、オフショア共に国内メーカーでは唯一と言っていい国内正規品のキャスティング用LDベイトリールだけに、今後のジャンルの発展にも大きく貢献するであろうモデルで、発売後の評価も高いです。
またシグラーも完全アメリカ製のこだわりの仕上がりで、完成度だけなくコスパが高いのも嬉しいところです。国内に正規代理店があり入手もしやすく、LDリールの最初の一台としては申し分ないリールだと思います。
そして、今回は対青物用としてドラグマックス8kg以上のリールをピックアップしていますが、その中でREVO TORO ROCKETやELAN SUPER WIDE POWER 71Bといったリールはコスパも高いのでサブ機としても面白いアイテムです。レベルワインドありですので、太いリーダーをロングで入れることは難しいですが、やはりLDに比べると容易に使いこなせることは大きな利点です。107BHに限定しますが、小さめのルアーにしか反応しない状況も多々ありますので、シビアな状況用に細めのラインを巻いたものを用意しておくと心強いアイテムと言えるでしょう。
では、最後に以前のブログにも書きましたが、ショア青物ベイトスタイルのメリットとデメリットを挙げてみましょう。個人の視点も入っているので、その点はご了承ください。
・メリット
01.同じ使用ルアーではスピニングよりも太いラインを使用できる
02.ショック吸収、根ズレ対策としてのロングリーダーを組める(レベルワインド無しのLDリールに限る)
03.レバードラグで細かいドラグ調整が容易
04.スピニングリールに対して構造がシンプルで巻きの力が強い
05.ウッドなどソリッド系のルアーを遠投しやすい
06.ラインを押さえてのハンドドラグができる
・デメリット
01.LDリールは操作に熟練が必要となる
02.市場に高ドラグ対応のリールの種類が少ない
03.リールが上にあるために操作時やファイト時にしっかりと固定する必要がある
(ホールドしないと下向きになろうとする)
04.スピニングに比べ軽いウェイトのルアーを投げる時の調整が難しい
05.スピニングのオートマチックなドラグ性能には劣る
といったところでしょうか。
特にロングリーダー(時に10m以上)を使用することで得られるアドバンテージは大きいと思います。
ナイロンライン等の伸びを利用しつつショックを吸収して負荷の抜けを防ぎつつ、ガチンコ勝負に出たり、フリーにして指でテンションを管理しながら泳がせて根をかわしたりと、厳しいフィールドでのテクニカルなやりとりが瞬時にできるのはLDベイトリールならではです。
しかし、とっさの扱いは本当に難しく、慣れない状態で磯に立つことは危険でもあります。バランスを崩しやすくなったり、いざという時に即座に反応できなければベイトリールのアドバンテージを得ることは難しいでしょう。
その点、スピニングリールは高性能なドラグ、幅広いルアーを使いこなすキャスタビリティー、リールが下向きに付いているが故の安定したファイト展開といった「扱いやすさ」に特化しています。この扱いやすいという性能は、そのままアングラーの反応速度に直結しますので、それがベイトリールに無い性能を補って余りあるのも事実です。
磯からの青物ゲームは常に危険と隣り合わせですので、安易にベイトタックルに飛びつくのはお勧めしませんが、練習して慣れてしまえば得るものは大きいです。
磯からの釣りでは、何よりもアングラーが安定した体勢でレスポンス良く反応できることが魚を獲ることの最大の武器であり、安全を保証するのものであることを念頭に置きつつ、こういった選択肢を検討してみてください。
(原稿協力・Proshop Seacret 石川県輪島 TEL 0768-23-4135 /谷内口冬馬店長)
谷内口氏はショア青物のベイトキャスティングには造詣が深いので、本気で挑戦したい方はぜひ、お店まで問い合わせてみてください!!
LDリールの使用におけるアドバイスやキャストのコツなどを解説した動画もアップしておりますので、ぜひこちらも見てみてください!!
※この動画で使用しているリールはUSシマノのタリカ10です。こういった並行輸入品も選択肢の1つですね。