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【スタッフ釣行記】熊本リバーシーバス デイゲーム釣行

熊本リバーシーバス デイゲーム釣行

2024年5月末。
夏を思わせるような照りつける太陽の下、フィールドスタッフの松成氏とともに地元・熊本市の河川へとシーバス釣行にでかけた。

というのも松成氏から「デイゲームで数釣りが成立する面白いパターンがある」と耳より情報を貰ったからである。

熊本市内の河川では、例年4~5月にかけては、コノシロに付いたシーバスが河川を回遊し、大型を狙いやすい好期を迎える。

しかし今年は、コノシロの姿はあまり見られず、代わりに稚鮎やハク、エビが豊富に入り込んでいるとのこと。
ベイトは十分だが、そのサイズはわずか数センチ。狙い方を誤れば、簡単に見切られてしまう繊細な状況だ。

例年通りのコノシロパターンであれば、シーバスも常に捕食スイッチが入った状態であり、タイミング次第では数・型ともに狙いやすい好機となる。

しかし今回は小型ベイトが中心。難しさが増す中で、果たして本当に数釣りが成立するのか?
そんな半信半疑の思いを抱きながら、集合場所へと向かった。

タックルセッティング

事前情報によると、今回フィールドを満たしていたのは、わずか数センチの極小ベイト。

その状況に合わせ、軽量プラグの感度や操作性能の特化した 【SilverStream 81 Stiletto】 を準備。
繊細なアプローチを可能にする一本を軸としつつ、状況次第でコノシロパターンにも対応できる【MonsterImpact 90H】もサブタックルをして準備した。

二つのスタイルを使い分けることで、刻一刻と変化するシーバスのゲーム性を最大限引き出していく。

■熊本県のシーバスゲームの特徴・シーズナルパターン

大小120を超える島々が点在する天草諸島。
そして日本一の干満差を誇る有明海には、菊池川・緑川・白川が流入。
熊本南部の不知火海には球磨川といった名だたる大河川が注ぐ。
この地形と水系が織りなす環境こそ、熊本を「シーバス大国」たらしめる最大の理由であろう。

冬、産卵を終えた個体は2~3月頃から天草周辺の浅場に差し始め、早春の釣りを盛り上げる。
そして4月、回復しきったコンディション抜群の群れが河川へと遡上すれば、春のハイシーズンが幕を開ける。コノシロ、稚鮎、ハク、エビなど、ベイトは河川やエリアごとに異なるが、いずれもシーバスの捕食スイッチを確実に押し上げる。

梅雨期には増水パターン。
真夏には天草ならではの「クルクルイワシパターン」が炸裂する。トップウォーターで数釣りを楽しめる季節が訪れる。

そして秋。10月頃からコノシロが接岸・流入すれば、河川でも海でもランカーの群れが待ち受ける。タイミング次第で、80㎝クラスの大型シーバスの連発劇が展開される、まさに“ベストシーズン”である。

最初のポイントは

まずは一ヶ所目へ。
潮は上げに差し掛かり、ちょうど五分目ほど。
オープンエリアながらも、大きく蛇行する川筋が生み出すヨレや反転流に、独特の雰囲気が漂っている。

先行者に挨拶を済ませて状況をうかがったところ、ここ数日は60cmクラスのシーバスがコンスタントに釣れているようだ。

この場所は、潮位200~300cmのタイミングで実績がもっとも高い。
いままさにその潮位で期待感は大きいが…、
対岸のショアライン際や、手前のブレイクラインを丁寧に探るも良い反応は無い。
流れの変化によって一筋のヨレが綺麗に形成されるが、そこでも反応は乏しくセイゴのワンバイトのみだった。

有明海特有の大きな干満差がもたらす影響で、熊本シーバスの時合いは特に短い。
釣果を積み重ねるためには、状況を瞬時に見極める判断力こそが鍵となる。
ここのポイントもこれ以上粘ることなく、二か所目のポイントへと移動することとなった。

デイゲームの明暗打ち

二か所目のポイントへと入る。
いよいよ今回の本命である橋脚の明暗撃ちだ。

私自身、明暗撃ちといえばナイトゲームの定番と思っていたが…、
シーバスが捕食場として居つくための条件がいくつかあるものの、橋脚の明暗撃ちはデイゲームでも成立するとのことだ。

潮は上げ7分目程度、川面には狙い通り、くっきりとした明暗の筋が浮かび上がっていた。

ただ、このポイントでは惜しくもバイトを得られなかった。
まだ時合いには少し早かったかもしれない。
とはいえ、日中でも明暗がしっかりと効くことを目の当たりにし、橋脚の明暗撃ちがデイゲームでも成立するであろうと、疑念を確信へと変えることができた。

■デイゲームにおける橋脚の明暗撃ちの条件

まず大前提として、橋が架かっているポイントすべてでデイゲームの明暗撃ちが成立するわけではない。
このゲームが成立する条件として、天候・時間・潮・橋の規模といった条件がそろう必要がある。

・天候 … 晴天であること。
・時間 … 太陽が真上に差す正午。
・潮位 … 水面がもっとも高くなる満潮。
・橋の規模 … 小規模で背の低い橋。

これらの要素が重なったとき、くっきりとした明暗の筋が水面に形成される。
逆に、時間がズレたり潮位が低かったり、あるいは橋が高すぎたり、何か条件が一つでも欠けてしまうと、明暗の筋がぼやけてしまい狙いどころが一気に不明瞭になってしまう。
だからこそ大切なのは、“成立する瞬間”を見極めておくこと。
条件が整うタイミングをあらかじめ把握し、狙いのポイントを絞っておけば、その一瞬を逃さずにゲームを展開できる。

狙い澄ました時合い

日も完全に昇り切った正午。
今回の釣行で最も狙っていた勝負の時合いである。

満潮は12時30分。
まだ上げ潮が残っているため橋脚の下流側から角度を付けて明暗を撃っていく。

太陽が直上にあり明暗の筋が橋脚にタイトに寄ってきているので、キャスト精度が試される状況だ。

その明暗の筋付近では子エビかハクか、水面をピンピン跳ね回り、場の雰囲気をさらに高めている。

下流からの上潮が弱くなり、潮が切り替わるタイミング。
明から暗へとルアーをやや流しづらくなってきた。

この潮が緩くなってきた状況であれば、リアクションで喰わせることがセオリーだろう。
ここで「サイレントアサシン99F」から千鳥アクションの「レイジーファシャッド70S」へとルアーチェンジする。

このルアーチェンジが功を奏し、直後にシーバスがバイト。
狙い通り明暗の筋でのヒットだ。

エラ洗いこそ見られなかったが、ロッドを叩くような重量感ある引き。
ロッドのハリを活かして橋脚から強引に引きはがした後は、焦らずに魚を寄せていく。

まさに「狙い澄ました」と言える一本だった。

■Tackle Data
Rod:SilverStream 81 Stiletto
Reel:ツインパワーXD C5000XG
Line:キャリアハイ×6 #1.2
Leader:ポケットショックリーダー FC30lb
Lure:レイジーファシャッド70S

続いて、下げ潮が効き始める絶好のタイミング。
立ち位置を変えて上流側からアプローチを開始する。

明暗にベイトが集中して活性が高いのか、立て続けに2匹目がヒット!
狙いどころにルアーを送り込むと、すぐさま答えが返ってくる。
ややサイズダウンしたものの、豪快なエラ洗いを見せてくれた元気の良いシーバスだ。

▼2匹目

ベイトの種類ははっきりとは判別できなかったが、おそらく子エビかハク。
松成氏によれば、エビを捕食しているパターンでは、レイジーファシャッドのように横っ飛びする千鳥アクションや、バイブレーションのリフトアンドフォールが特に効くという。

また、シーバスに警戒心を与えないように、立ち位置をこまめに変え、キャスト角度やポイントを少しづつ調整していく。
これだけの工夫でデイゲームでも数釣りを成立させることができるのだ。

▼3匹目

▼4匹目

やや反応が鈍くなったところで、ルアーを「VJ-22」へとローテーション。
レンジを一段下げて探ると、新たに反応を拾える。

▼5匹目
▼6匹目

■Tackle Data
Rod:SilverStream 81 Stiletto
Reel:ツインパワーXD C5000XG
Line:キャリアハイ×6 #1.2
Leader:ポケットショックリーダー FC30lb
Lure:VJ-22

ポイントに入って1時間半ほど。
バイトも途絶えてきたため、この場を後にすることになった。

とはいえ、デイゲームにおいて一つの場所でこれほど釣果を積み重ねることができるパターンというのは、決して多くはない。

デイゲームというものは、やはりストラクチャー撃ちが鉄則である。
今回改めて、日中の橋脚の明暗もストラクチャーの一つになりうると再認識させられた。
時合いは短くとも、ストック量は圧倒的。
限られたチャンスをどうものにするか、それこそがデイゲームの醍醐味だろう。

シーバスをより深く追求するために

今回のデイゲーム釣行は、日中の明暗を撃ち分け、計6本のシーバスをキャッチ。
結果としては十分に満足のいく釣果だった。
しかし単純に「流すだけ」では魚は出ないことも事実である。
着水点やルアーの角度、明暗部への出し入れを細かく繰り返すことで、ようやく口を使わせることができた。

ナイトゲームのように、指先に全神経を集中させる繊細なゲームも面白い。
だが、日中は視覚的な情報が加わり、アクション・バイト・ファイト、すべてが目に映る。
その瞬間の高揚感は格別である。

しかしながら一方で、日中はシーバスの警戒心も強い。
思考をフル回転させ、ルアー・流れ・レンジ・アプローチ角度を組み合わせる必要がある。
だからこそ、テクニカルなデイゲームに欲しくなるのは「感度を極めた一本」である。

■SilverStream Stiletto 血統の広がり
今回の釣行で得られたインスピレーションをもとに、スティレットシリーズの開発は一気に加速していった。
「Stiletto」という血統は、まだまだ進化の途上である。
開発を進めるにつれて、当然ながら壁に直面することもあるが、そのたびに設計を見直し、一本づつ研ぎ澄ましていく。
既に各地のイベントや試投会で披露してきたプロトモデル「95 Stiletto」 のように、既に方向性が固まっているものもあれば、まだまだ現在進行形で開発中のスティレットシリーズもある。

「SilverStream Stilettoシリーズ」この全貌については、今後の開発記で皆様にお伝えしていきたい。


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