【2020年春 新製品情報】
2020年3月発売となる「BIG TUNA 83 JAPAN Special」をご紹介いたします。
(※画像はテスト中の開発コードです)
BIG TUNAの初期モデルが発売されてから約8年。
第一号として発売されたのが、今なおキャスト(小型ルアー)に定評を頂いている「BIG TUNA 87 JAPAN Special」でした。
ロングセラーとして長年シリーズを支えてきましたが2019年をもって廃番となりました。
BIG TUNA 87の次世代を担う後継機種の開発が数年前より始まっており、ようやく2020年春にご紹介できることとなりました。それが、「BIG TUNA 83 JAPAN Special」です。
開発に至った経緯ですが、ツナフィッシングを取り巻く環境や状況の変化とともにアングラーからの要望が多様化し、ロッドに必要とされる性能が変化してきた事が大きな要因です。
そこで、リップルフィッシャーの考える第三世代ロッドとして、現在の状況にマッチした新しいコンセプトのもとで開発が始まりました。
■変化と第三世代のコンセプト
<環境の変化に伴う変化>
天候(台風の進路)、マグロの生息域、個体数、サイズ、そしてベイトの種類とサイズ
<道具の進化とアングラーの技術向上に伴う変化>
ヒットまでのプロセス、一部地域での捕獲サイズの大型化
<タックルの変化>
タックル選択のライト化(ライン、ロッドパワーにおいて)
という変化により、
ベイトが小さいのに対して魚が大きい。
誘い出しが主流となり、従来のロッドでは重たい。
悪天候の影響により船での足場が安定しない。
上記以外にも様々な要素がありますが、これらを取り入れてリップルが求めたコンセプトは、ヒットまでのプロセスは「マルチに」こなせ、ヒット後は「柔よく剛を制す」。
アングラーの力を最大限に発揮させるロッドです。
■BIG TUNA 83の特徴
~バランス~
BIG TUNAシリーズ中でミドルクラスに位置するこのモデルは、手にしたときに進化を感じる「軽さとバランスの良さ」が特徴です。
~キャスト&誘い出し~
ナブラ撃ちの際、船体の揺れが激しく体勢を崩しやすい、又は下半身の固定が困難な状況下で上半身や腕の力を使って遠投が必要な際にキャスト性を発揮します。
また、それ以外にはダイビングポッパーを使用しての「誘い出し」が可能です。ティップを利用してマグロが嫌う強すぎる派手なアクションを抑え、ダイビングポッパーを繊細に操作します。
※一部地域でのキハダの誘い出しで使用される、中口径~大口径ポッパーでの誘い出しには、ティップまで張りのあるBIG TUNA 710や85、 OceasnRidgeシリーズをお勧めします。
~ファイト~
突出した特徴として、身体の負担の少ない、楽なファイトがあげられます。
無理やり力で寄せるのではなく、いなしながらも魚の頭を下に向けない断続的なプレッシャーを与え続け、パワーのあるバット部分で魚を寄せます。
ロッドを立ててのファイトも可能です。
~お勧めの状況&アングラー~
・ベイトサイズに対し、魚体が大きい
・85Fのパワーでは少し弱い
・710や85よりライトなモデルが必要
・Aquila 82-3/6の様なキャスト性能が欲しい
・誘い出しもしたい
・キャストに伸び悩んでいる
・マグロ釣りを始めるための最初の一本
・ヒラマサキャスティングに流用したい
(710, 85, 83との曲がり比較)
■ロッド詳細
Model name : BIG TUNA 83 JAPAN SPECIAL
Lure : 40~150g
Line : PE6~8
Drag Max : 15kg/45°
Length : 8ft3inch
■開発ヒストリー
●ブランク調子
初期開発時、同タイミングでテストが行われていたAquila MLT 82-3/6のブランクの調子(*1)が非常に遠投性能に優れていたことから、その性能を応用しBIGTUNAへ同じ要素を加えた概念実証をおこないました。
小型ルアーのキャスト面では、Aquila MLT同様素晴らしい性能を発揮する結果となりました。また更に、不意の大物にも耐えるBIGTUNAの要素を加えることで、ファイト時の安定感が増し、安心感のある調子へと生まれ変わりました。
(*1…ティップとバットの張り感に差をつけた調子。例)Aquila MLT 82-3/6の場合、ティップの使用感はPE3号クラス、バットの使用感はPE6号クラス)
●バットレングス
バットレングスも2レングス同時にテストがおこなわれました。
1つ目は、BT85Fと同じ798mm
2つ目は、BT85と同じ833mm
キャスト、ファイト共にミドルクラスのパワーとのバランスが良く、ファイトの負荷を軽減させたのが833mmです。
※バット同寸法の利点として、Pe8号クラスモデルから12号クラスモデルまでギンバルのポジション調整が不用ですが、同寸法のバットが混在し装着ミスを防ぐために2020年1月生産分のBIGTUNAシリーズにはリールシートスペーサーへモデル名刻印が施されます。
(画像内 下部がBIGTUNAに採用されているテーパー加工グリップ)
●バット形状
BIGTUNA発売当初より変わらないフロントグリップのテーパー加工。
こちらの形状について、時折お問い合わせがあります。
上記でも述べた通り、BIGTUNAシリーズのグリップレングスは約800~830mmと長く、GTロッドのOceanRigeシリーズ等と比べると20mm程長くなります。
(BIGTUNA83JAPAN Specialによるファイト)
それは、ファイトスタイルが大きく関係しています。
GTとのファイトに比べ、長時間ファイトを想定したマグロ釣りでは竿を立てて耐えるスタイルが主流となり、ギンバルをローポジションに設置することで竿を立てやすく、「支点となるギンバル」「力点となるアングラーの手」の距離が離れテコの原理を利用したファイトを可能とします。
それらの理由から、長く設定されたグリップは、リールシートからボトムガイドまでの位置が離れ、マグロ釣りで一般的に使用される大型リールでのキャスト時は放出されたラインによるEVA(グリップ素材)への干渉が発生してしまいます。
干渉することで飛距離アップの妨げとなるためにテーパー加工が採用されました。
これらは開発ヒストリーの一部です。
フィールドに赴き、状況の変化を察知し製品に反映したことで生まれた「BIGTUNA 83 JAPAN Special」。
BIGTUNA 87 JAPAN Specialと全く同じコンセプトではなく、近年の流行を取り入れた次世代型後継機種となっております。どうぞ宜しくお願い致します。