本日は2024年2月に発売となるBIGTUNA 710RTと86の2機種をご紹介いたします。
BIGTUNAシリーズが立ち上がってから13年。
テスト期間を入れるとそれ以上の期間を開発に費やしてきました。
その間、マグロを取り巻く環境は海域や魚のサイズ、ベイトの量や種類等、多岐にわたって大きく変化してきました。
もちろん私達が作るロッドも変化する環境に適応させ、ユーザーの皆様にとって最適な選択肢を提供すべく、ラインナップを揃えてきました。
今回発売となる710RTと86のコンセプトは、「過去を現在~未来への変化に適応させる”ReTuned(再調整)”」としました。
モデル名に表記されているRTとはReTuned(再調整)を意味します。
710RTは初代710を、86は85をReTunedしたことによってネーミングされました。
その中でも、710は前機種との区別化を図るために”RT”をブランクに表記し、86は大幅な調整により、85とは全く異なる特性になったこと、ロッドレングスが1インチ伸びたことにより区別がつくことでRT表記はおこなっておりません。
ここからは710RTを例に挙げてReTunedに至った経緯をご説明いたします。
※基本性能は710RT・86共通としてご覧ください。文末にてそれぞれの特長を簡単にご紹介いたします。
2010年に発売された初代710は、現在に至るまで数々の大物(200kg Over)と格闘実績があり、今でもなお人気の高いモデルでした。
しかし、大きく変化してきた現在の環境下に適応させるべく、リップルフィシャーの持つ最新の開発技術・材料で再調整を行いました。
ここから、この2機種について掘り下げていく上で、クロマグロが置かれる環境の「過去と現在、現在から未来」について少しだけお話いたします。
~シリーズ黎明期(過去)~
BIGTUNAシリーズ開発の黎明期(2008年前後)はクロマグロを専門に狙う遊漁船も少なく、クロマグロの絶対数も専門に狙うアングラーも少ない状況でした。
当時は100kg級のクロマグロというのは非常に価値があり、アングラーはそれを釣ることに目標を置いていた時代です。
主な釣法は、フローティングペンシルやシンキングペンシルをメインに用いたナブラ撃ちが主流で、ナブラに撃ち込んだ後はルアーを動かさない「ほっとけ」という釣法が生まれた時期でもあります。
タックル選びにおいては、対象魚サイズに対し現在と比較すると十分過ぎる程の安全マージンをとったパワーロッドと太いPEラインが使用されていました。
その環境下で開発されたのが「張りが強く、スピード感がある」初代710です。
~現在~
2017年辺りからクロマグロが爆発的に増えてきた結果、日本海~太平洋側までの広い範囲に漁場が広がり、かつ魚のサイズも巨大化してきました。
100kg級のクロマグロは未だに価値はあるものの、アングラーの目標は一部では100kgから200kg、更に300kgに届く大型クロマグロとなりつつあります。
釣法については、ナブラ撃ちに加えてダイビングポッパーを用いての誘い出しも徐々に浸透し、それに伴い市場からダイビングポッパーが消える事態にまで発展しています。
タックル選びにおいては、100kg前後のターゲットに関しては過去に比べるとライト化が進み、昔ほどオーバーパワーのタックルセッティングで挑むことが減ってきています。
~現在から未来へ~
主流となるルアーや釣法・環境が目まぐるしく変わる状況の中で、今回の710RT/86は
●様々なルアーを用いてのマグロに対する多角的なアプローチを可能とすること
●ファイト時はアングラーの負担を減らしつつも十分なリフトパワーや取り回しの良さを発揮することを開発の主眼としました。
それでは、具体的にどのように変わったのかご紹介します。
BIGTUNAシリーズの持つ基本性能「曲がりの支点がアングラー側にありながらも、リフト力を損なわない」はそのままに、更にブランクが持つ「遠投性、リフト力(復元力)、ルアーの操作性」の範囲を従来品よりも広げて、比較的軽いルアー(40~50g)から100gクラスで可能とするテーパーデザインとしました。
✔CHECK
キャストにおいては様々なサイズのルアーを使用したナブラ撃ちや誘い出しなどのアプローチの適応範囲が広がり、ファイト時においてはアングラー側に支点がありながらもタメが効くブランクス設計のおかげで身体の負担が少なくなっています。
BIGTUNAシリーズは、「ライト、ミドル、ヘビー、パワー」という4つのカテゴリーに分かれています。
①ライトクラス(該当機種:85F)
マグロ類を狙うアングラーの最初の一本として選ばれるクラス
②ミドルクラス(該当機種:87AS・83)
夏場のアクティブなキハダ狙いや中型サイズのマグロ類狙いに人気なクラス
③ヘビークラス (該当機種:710RT・86)
海域にいるマグロのサイズが中~大型が混じり、サイズが選べない状況において使いやすいクラス
④パワークラス (該当機種:73・76・70)
大型から超大型クロマグロを大型ルアーを用いて狙う為のクラス
「BIGTUNA 710RTと86 JAPAN SP」は両方とも3番目の「ヘビークラス」に該当します。
今回発売となる2機種ともPE12号まで使用可能ですが、Power Class(パワークラス)と比較すると破断強度は若干低めな為、ドラグ値は15kg/45°設定です。
※機種によって設定ドラグ値が変わりますので、ロッド選びの際にはその点もご留意ください。
✔CHECK
ミドルクラスの中核となる機種は「BIGTUNA 83」で、更にベイトが小さい・遠投力が必要な状況特化型には「BIGTUNA 87」がお薦めです。
ヘビークラスの中核となる機種は「BIGTUNA 710RT」で、遠投性能が必要な状況特化型の場合は「BIGTUNA 86」をお選びください。
●BIGTUNA 710RT JAPAN Special
Lure:40~160g
Line: PE 8~12
Drag MAX: 15kg/45°
Length: 7ft10in(Grip Joint / Closed Length: 1670mm)
Weight: 407g
Price:72,000円(税抜価格)
※グリップのエンド部分はBRC(ラバーキャップ)が標準仕様になっています。
✔CHECK
対象サイズを選べないシーズンで使用するのであれば、710RTがお薦めです。
同等レングスのPower Class3機種(BT70/BT73/BT76)と比較してもライトな使用感で、長時間の誘い出しでも疲れません。
ラインクラスを落とすことで、ベイトが小さいナブラにも軽量ルアーを選択して対応可能です。
(画像: BIGTUNA 710RT)
●BIGTUNA 86 JAPAN Special
Lure:40~160g
Line: PE 8~12
Drag MAX: 15kg/45°
Length: 8ft6in(Grip Joint / Closed Length: 1850mm)
Weight: 427g
Price:73,000円(税抜価格)
※グリップのエンド部分はBRC(ラバーキャップ)が標準仕様になっています。
✔CHECK
710より飛距離が欲しい方にはロッドレングスを活かしたロングキャストが得意な86がベストです。
同等レングスのMiddle Class2機種では大型サイズが掛かった時に心配なシチュエーションで安心感をもってファイトできるパワーを備えています。
(画像:BIGTUNA 86プロト 開発コード85)
ロゴデザインも近代的なデザインに一新しました。
ダークグレーのBIGTUNA JAPAN Specialの文字に箔シルバーでモデルの番手が施されています。
屋内ではシックに、屋外で光に当たることによってブランクの織と文字全体が浮き上がり表情をガラリと変えます。
(画像:上 BIGTUNA 710 RT/下 BIGTUNA 86)
画像は710RTと86のバックプリントです。
この2機種は非常に美しい織りブランクが特徴的で、ブランク特性に合わせて異なるカーボンを使い分けられています。
また、その美しさを損なわないシンプルなプリントを施しました。
スペックはグリップ部分のスペーサーに刻印されていますので、穂先側とグリップをセット間違えも防ぎます。
Heavy Classのガイド巻き全て赤の糸巻きが施されています。
※スレッドの色分けは、以下のようになっています。
Light Class(ライトクラス)➡シルバースレッド
Middle Class(ミドルクラス)➡ブルースレッド
Heavy Class(ヘビークラス)➡レッドスレッド
Power Class(パワークラス)➡ゴールドスレッド
以上、今からの環境にマッチさせるためにリップルフィッシャーが提案する2機のご紹介でした。
興味をお持ちいただけると幸いです。
また、シリーズ内でのロッド選びにお悩みの場合は一つの基準として、
・40~80kg程度であれば、BIGTUNA 83や87AS
・70~100kg以上であればBIGTUNA710や86
・150~200kg以上であればHeavy Class(ヘビークラス)3機種
をお選びください。
各地の大型展示会でも展示致しますので、実際に触れてご体感ください。
製品ページはこちら⇩
https://ripplefisher.com/product/off-shore-game/big-tuna-tuna