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RunnerExceed 105BHH Nano/トカラ列島・イソマグロ74kg

この5月、弊社RunnerExceedシリーズのベイトモデル・テスターである谷村隆幸さんが堤防よりイソマグロ74kgをキャッチされ、レポートをいただきました!!
魚の大きさにも驚きましたが、タックルがナイロン30lbだということで、求道者である谷村さんの一つの挑戦が結果を出したことにリップル一同、感動しました。
しかし、谷口さんによると、この釣り事態が非常に危険なものであり、今回のようなナイロンでの挑戦は自身ではまだ答えがはっきり出ているわけではなく、今回使用したロッドとの組み合わせもベストであるとは言い切れないとのことでした。
経験を積み重ねたアングラーだからこそ知る危険性を孕む釣りであることと、完全な答えの無い大物釣りであることを念頭に入れて、下記のレポートをお読みください。
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RippleFisher / RunnerExceed 105BHH Nano
トカラ列島・イソマグロ74kg 
アングラー・谷村隆幸

 

トカラ5月釣行
ファイナルステージに上る階段。魂を込めロッドを製作している人たちがいる。心・技・体を教えてくれた仲間が居たからこそ結果と繋がり、その結果がまたさらなるステージへと高みに押し上げてくれた…。
何度もの挫折を繰り返し、同じ過ちを繰り返さないと肝に銘じ、ショアに立って自分なりの答えを探してきた。
いつ来るか分からない大物に対して掛けたら100パーセント獲る。ラインブレイクだけはしないと誓い、釣行に臨んできた。
私のメインロッド(共にベイトモデル)
RunnerExceed 105BXH FINAL STAND UP
RunnerExceed 105BHH Nano
5月釣行で使用したのは2017年度のニューモデルであるRunnerExceed 105BHH Nano。
20k前後までの青物を視野に入れたモデルで、テスト段階で青物ロッドなのに底が見えない恐ろしい懐の深さを持っていた。
ロウニンアジ40kgオーバーの平打ちのリフトに耐える繊細なロッド。
GTロッドと同じだと思われる方も多いとは思うが、GTロッドとは全く異なる設定になっている。これはあくまで青物ロッドだ。

 

トカラ釣行編
 
一日目
暗闇と風の音で始まった。
トビウオを見つけながらロウニンアジの狩場を探し、初日にロウニンアジと1年ぶりの再会を果たした。
毎回、ロウニンアジの狩場(ポイント)を探すのに苦労するが、長年の経験でかなりの確率でヒット率を上げることができているように思う。

 

2日目
トップなのかシンキングなのか状況に応じて使い分ける。
前半にトップでポロリ。原因は1発目が針を伸ばされ、2本目は先端が潰れていた。自分のミスとしか言いようがなかった。
再開し、シンペンに変え20kgクラス+実測34kgを釣ることができた。

 

3日目
ラインはナイロンライン。JGFA 30lbラインクラス。
テトラ前デットベイトを沈ませている時だった。
ゆっくりと走り、スピードが乗っていくところで、一発合わせを入れると、30~40m程走られる。擦れる感触があったので、ドラグを調整しながら、感触がなくなって勝負に移行した。
この時はゆっくりファイトしようと決めていた。旋回範囲で寄せていき主導権を奪われることなくネットに入れて頂いた。
実測30kg。
正直、この時は違和感だけが体に残っていた。

 

 

4日目
さらなるステージの紹介状が届く。
ラインはナイロンライン。JGFAルール・30lbラインクラス。
時間帯をよく覚えていない、この夜も魚の狩場を探していた。
夜光虫の動きから、ルアーを追っかける「何か」がルアーを見切っているのが分かった。
そして、「何か」がデットベイトの射程圏内まで来ているのを見つけ、一人で声を出して笑った。
即座にルアーからデッドベイトにチェンジ。キャストし、表層をゆっくり巻きながら止めを入れて誘ってみる。
「何か」が追い越しざまに反転すると同時に、ラインが水を切る凄まじい音が闇の中で響き、ラインは沖に出ていく。
食った―!!
ラインは100m前後出て、ロッドには石のように重くなった魚を感じる。テンションを少し掛けながらリフトしつつ寄せてくるが、近くになるにつれ重くなる。そしてセカンドランが始まる。
理想のファイトができない。
どうしても距離を詰める事が出来ないのだ。
30lbの破断限界の一歩手前まで勝負しても、なかなか距離を詰めることができずに、逆に少し出ていき続ける。
時間だけが過ぎ、ドラグ設定を下げて応戦することにした。

 

 

旋回で距離を詰めすぎ、失敗を何度か繰り返しながら、ようやく水面に姿を現し、最後の抵抗を見せたのは巨大なイソマグロだった。
ネットに入った瞬間に感情が爆発した。

 

 

今の自分にできる事を精一杯やった。
正式計量74.2kg。
本当に嬉しかった!!
そして、次にすべき事が全て見える。
その瞬間に感動を覚えた。

 

 

Tackle Data
ロッド:RunnerExceed 105BHH
リール:SALD50HS
ライン:バリバス/トローリングライン 30lb 300m
リーダー:バリバス 大物ハリス 80号
針:がまかつ リング付き菅ムロ40号

 

 

最後にリップルフィッシャ―の皆様へ。
今回このような結果に繋がったのも、製作して頂いた皆様のおかげです。
深く感謝致します。
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リップルスタッフより
谷村さん、非常に夢のある釣行レポート、そして正にロッド屋冥利に尽きる、素晴らしい魚をありがとうございました!!
これほどまでに夢のある話だけに、後に続く方も多いと思います。しかし、大物釣りは一朝一夕に挑めるものではありません。一番の近道はとにかく多くの経験者にアドバイスを貰いながら経験を積むことです。
そこで、最後に谷村さんとの話で特に注意して欲しいこと、知っておいて欲しいことを挙げて締めたいと思います。

 

01. ナイロン30lbラインでの大物狙いは、磯と防波堤では違う部分も多く、道具立ては綿密なシュミレーションをおこなって選んで欲しい。例えば、柔らかい胴調子のロッドでやる場合と、今回のようにレギュラーファースト気味の堅めのロッドでする場合でも大きく釣りは変わってきます。谷村さんもまだ模索中であり、今回の魚ではかなりタックル的に厳しい点も感じたので、これが正解だとは思わないで欲しいとのことでした。

 

02. ナイロンラインで大物とのファイトを展開する場合、ナイロンラインが伸びきった状態になり、この時のラインブレイクの衝撃は非常に強い。後ろに吹っ飛ばされる、または岩や護岸に叩きつけられる可能性が高いので、その点を十分に考慮してファイトをして欲しい。

 

03. ナイロンラインはファイトで魚が暴れにくいなどの優れた利点も多々あり、選択肢の一つではあるが、今回は魚が旋回に入ったときの操作では苦労をしたそうです。ドラグ調整もラインが伸びきった状態ですることになるので、とにかく慎重におこなう必要があります。ナイロンラインを使用して大物を狙う際にPEラインと同じ感覚ではとても危険です。
特にランディング前の50キロを越える大型魚の旋回に対して詳しく言うと、特にマグロ類は魚の進行方向と一瞬のスキ(タイミング)を定め、テンションを一気にかけ距離を詰める必要があるが、ナイロンの伸びる特性の為、その力を伝えにくかったそうです。今回は防波堤からでしたが、これは磯でも同じだと思います。
ショアの場合は旋回の大きさに応じて距離の詰め方があるので、詰めすぎはアングラーへの大きな負担に繋がるので要注意です。

 

また、同じく弊社テスターの杉田さんがおっしゃってましたが、谷村さんの凄いところは使用ナイロンラインの強度限界の中にあってポンピングでラインを巻き取っていたところだそうです。通常はナイロンラインがクッションになりテンションが抜けずにポンピングでの巻き取りは難しくなります。

 

このように、卓越した技量と経験があってこその魚であるのは間違いなく、そのどれかが欠けることが危険に直結してしまうのが、この大物釣りの難しいところです。
なによりもまず、自身の技量と経験を鑑み、道具立てを熟考する。いわば常に自分自身を見つめながら突き詰めることこそが、この大物釣りへ挑戦する第一歩なのです。

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