【2020年春 新製品】
2020年4月新発売のSELFISH NSシリーズの解説ブログ第二弾です!
前回は解説メインでしたので、今回は特にこだわりましたSELFISH NS 614の開発時のテストレポートをお送りいたします。
尚、NSシリーズの解説編はこちらのブログです。まだ読まれていない方は是非ご覧くださいませ!
【SELFISH NS 614】
こちらは前編で解説しました通り、主にシャローでの操作性能に特化したコンセプトであるために、九州エリアでは万全なテストができない為、外房をメインフィールドとするフィールドスタッフの原田氏にテストをお願いしました。
ここからは原田氏から頂いたテストレポートを抜粋してを紹介致します。
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2019年7月
フィールド:南伊豆 鵜渡根島海域
プロトNo.2
現在テスト中のプロトロッドは外房のようなシャローエリアにおける使用感を重点にテストしている6ftクラスのロッドです。求めている要素として、ジグのスライド幅をアングラーが任意にコントロール可能なベリー感度と、シャロー帯でヒラマサの走りに翻弄される事なく、しっかりと対峙出来る強靭なバットパワーを念頭に置いてテストをしています。
ベリーの使用感度に関しては、外房・南房のシャローエリアをメインにテストを重ねて来た為、次の改善点が見えて来ました。
しかし、バットパワーの感触については、ロッドを絞り込むような魚と出会えていなかった事からテスト不足と感じていました。
そこで、ヒラマサは勿論、カンパチも視野に入れたパワーのある相手を求め、今回初となるフィールドへ行く事に。
午前2時下田港を出船し、午前4時頃には鵜渡根島沖に到着。
ポイントの水深は80~150mで、船をスパンカーで潮に立てるバーチカルジギングでしたので、着底をしっかりと取る事を最優先に考え、200gのリア重心のジグをメインに使用。
前半は潮具合が気に入らないのか、なかなかヒットしなかったものの、後半からポイントを熟知した船長の読みが当たり、まず南伊豆ならではのハチビキがヒット!
その後、水深130〜150m前後の流しで同船者にカンパチがヒット!からの流れに乗ってトリプルヒット!
この時は水深が深かった事からベイトタックルを使用していたが、潮が効いてきたのか活性も上がって来た様子。
船長からも「あとはヒラマサですね!」と激励を頂き、気合いを入れてギンバル装着(笑
プロトロッドに持ち替えてジャークすると、ベリーを通じて手元に潮の重さが増しているのが分かり期待が高まります。
流し変え後、130m付近からスタートし、90m前後のポイントに入った所、ボトムの着底をしっかりと取り、ワンピッチで10ジャークごとにフォールを入れていき、20ジャークを超えた辺りで突然猛烈にドラグが走り出しヒット!
舟下から反対舷側へ強烈に走った為、船底を避けるためにミヨシに上がらせて頂きファイト開始。
水深も十分にあったので、ロッドのバットパワーを確かめながらファイトすると、バット部分の高反発力で、曲がりながらも魚の走りに対してしっかり復元し、確実にリーリングして距離を詰める事が出来ているのを実感。
最初は走られたものの、徐々に上がって来てキャッチ出来たのは、船上計測14㎏のヒラマサでした!
その後、跳ね出しも見られた事からキャスティングを試すも、最後の流しで再度ジギングにシフト。
すると、ボトム付近で食い上げる様なミスバイトからの着底を取り直しワンピッチで再度刻むとヒット!
先ほど満足出来る魚を獲った後だった為、じっくりと曲がりを確かめながらファイトしてみると、先ほどよりかはサイズが小さい為か、ロッドがより復元してオートに竿を起こしてくれる感触を感じます。
こちらは船上計測7㎏のカンパチでした。
今回の釣行でロッドのバットパワーについて良い感触を得られたので、今後はベリーの感度とのバランスを考えながら、最高の1本を目指してテストを継続して行きたいと思います。
【tackleDate】
rod:selfishプロト
reel:SHIMANO StellaSW 8000xg
lure:Second Stage クナイ200g
line:♯4
leader:#14
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2019年10月
フィールド:外房エリア
プロトNo.3
(1)テストの目的
外房のヒラマサジギングの特徴として、釣りをするポイントが水深20m〜40mの岩礁帯である点が挙げられますが、浅い水深の中でもヒラマサがバイトするレンジは、シーズナルパターンと海況によって多様に変化します。
そこで、アングラーは、現場で状況と変化を察知し、その上で狙いのレンジを絞り、ジグをしっかりとアクションさせる事が釣果に繋がります。
そこで、私がロッドに求めた性能として、ジャークの強弱をティップベリーの「入りと戻り」でアンテナの様に感じ取り、ジグのスライド幅を任意に操れる高い操作性は、狙いのレンジでジグをアクションさせ、ヒラマサを狙って釣る為に必須の性能でした。
今回釣行した秋のシーズナルパターンは、ボトムレンジの攻略が要。
ボトム付近からジグがレンジを外さない様にしつつ、潮の流れ方に応じてジャークの強弱を的確にコントロール出来る操作性を試す事がテストの目的でした。
(2)当日の状況
当日のポイントは、ここ最近ヒラマサの釣果が上がっている水深20メートル前後の根周り。
朝から昼にかけて徐々に風が強くなる予報で、朝のうちは弱かった風も徐々に強くなって行きました。
ドテラ流しで船が風に流されるスピードも速かった事から、ジグのコントロールは次第に難しくなりましたが、この様な爆風コンディションは外房では定番的に起こる現象です。
そこで、私は風の強さを考慮して潮の方向別に以下の事を意識しました。
◯迎い潮では、ボトムへ確実に到達できるウエイトで潮を噛むタイプのジグをセレクトし、可能な限りロングキャスト(約20メートル前後)をして、着底後ジグが発見された後にリアクション的に誘い上げるイメージ。
または、移動距離を抑えてフォール重視のアクションで誘って食わせるイメージ。
◯払い潮では、潮を噛まないタイプのジグをセレクトし、ショートキャストに留め、ボトムレンジから浮き上がりすぎない様にロッドとラインの角度を鈍角にし、ジグが横姿勢で鋭くアクションする様に入力をコントロールし、横方向にヒラマサを引きつけるイメージ。
(3)ファイト時のテスト
なかなかヒットが得られず、太陽もすっかり上がった頃、相変わらず吹き付ける爆風の中、払い潮の場面で着底から4ジャーク目。
ジグが突然根掛かりしたかの様に止まると、瞬時にヒラマサのファーストランがスタート!
ヒット時の水深は18メートルで、風で船が流されている事も手伝い、潮に乗ったヒラマサは猛烈に走る!
20メートルを切っていたので根ズレのリスクが脳裏を過ぎり、ある程度走らせた所でハンドドラグで耐える。
ヒラマサの頭が少しこちらを向いたタイミングでとにかく巻けるだけ巻いてセカンドランに耐えられるだけの走りシロを作る。やはりセカンドランも走られたが、ファーストランよりは全然余裕。
外房でのファイト姿勢は、浅場でヒラマサが瞬発的に横方向へ方向転換やダッシュした際に、ロッドの向きと角度を魚に合わせて対応出来るように、脇挟みのスタイルでやっています。(水深がある場所では腹に当てるファイト姿勢も多用します)
バットパワーを生かしてロッドを若干持ち上げてリールの巻きシロを作り、素早くリーリングを繰り返すファイトを試した所、脇挟みの姿勢でも安定して魚を浮かせる事が出来ました。
以前のselfishシリーズでは、繊細なティップベリーの番手では、どうしてもパワー不足を感じる場面があり、良いサイズと脇挟みでファイトすると竿が伸され気味になり、リールの巻きシロを作るのが困難になる事があった為、非常に満足出来る感触でした。
安定したファイトでランディングにも成功し、船上計測約10キロのヒラマサを釣らせて頂きました。
(4)修正点
今回のテスト釣行の結果として、ティップベリーの感度とバットパワーは合格点という判断をしました。
落第点としては、キャスト時の糸抜け、ガイド絡み。状況によってロングキャストを多用するため、ガイド絡みは致命的と言えます。なので、ガイド位置の修正を依頼済。
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後日、ガイド位置を調整したNo.3プロトで釣行したところ、ロングキャスト時のライン抜けが向上し、抜群のキャストフィールを得ました。ガイド絡みを気にする必要はなさそうです。
また使用時に少し気になっていた、やや先端に寄った曲がりの支点も、ガイド位置をバット側に調整したことで、使用感も向上。より理想的な調子となりました。
この時の釣行では、払い潮の場面でジグを鋭く飛ばし過ぎないようにジャークするパターンを再現し、3キロ前後のヒラマサを釣ることが出来ました。
ブランクはNo.3プロトで最終決定ですね。今後も釣果を上げていきたいと思います。
【tackleDate】
rod:selfishプロト
reel:SHIMANO 19StellaSW 8000HG
lure:Second Stage Messer 135g
hook:cultiva チェイス9/0
line:PE♯4
leader:#14
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外房をメインにテストを行ったNS614ですが、今までのSELFISHシリーズにない調子のシャロー攻略用のモデルとなります。シャローの釣り以外にも水深のあるドテラ流しの釣りでも、適度な張りのあるベリーとバットの硬さを意識して入力することでジグにメリハリのあるアクションを付けることができ、食わせの間を意図的に作れます。
SELFISH NSシリーズ3機種は4月末の発売となりますので、これからのシーズンにぜひご使用ください。