Ripple Fisher リップルフィッシャー

BLOG

HOME > スタッフブログ > スタッフボイス > スタッフ釣行記 > 【スタッフ釣行紀】石垣島遠征 ディープジギング & GTキャスティング -Day1-

【スタッフ釣行紀】石垣島遠征 ディープジギング & GTキャスティング -Day1-

石垣島遠征 ディープジギング & GTキャスティング 釣行

まだ肌寒さの残る3月後半。
横浜や大阪をはじめとする各地で盛大に開催された大型フィッシングショーが一段落すると、いよいよ本格的な釣りシーズンの到来を実感される方も多いのではないでしょうか。

私たちリップルフィッシャーも、ロッドテストやプロモーション撮影のため、全国各地へと遠征をスタートいたします。
例年であれば、地元・九州で春のヒラマサシーズンに合わせた釣行を組むところですが、今回はロケーションを大きく変え、南国・八重山諸島の玄関口“石垣島”へと向かいました。

2025年ニューモデル【SELFISH】&【OceanArrow】シリーズを用いたディープジギングで狙う『カンパチ』がメインターゲットで、さらにサブターゲットとして『GT(ジャイアント・トレバリー)』、いずれも南方の海を代表する人気ターゲットであり、一筋縄ではいかない巨魚です。

今回乗船したのは、カンパチやGTはもちろん、キハダや大型グルーパーなど南方系の大型魚を専門に狙う遊漁船『大洋丸』さんにお世話になります。

メンバーは、社内スタッフ2名に加え、GTのメインテスターであり青森や与那国など全国を遠征してきた芹川氏、そしてマグロキャスティングおよびジギングに精通する北海道の小山氏の計4名で挑戦してまいりました。

今回の石垣島遠征は、実はリップルフィッシャーとして初めての海域となります。

私たちが創業当初から25年以上にわたって挑み続けてきた、種子島やトカラ列島を擁する薩南諸島であれば、これまで積み上げてきた経験やノウハウがある程度通用するという自信がありますが、今回の遠征地は日本列島の西端、先島諸島に属する石垣島。
地形も潮流も、これまでのフィールドとはまったく異なる海域です。

当然、そこに棲むカンパチやGTにとっての「好条件」も大きく変わってくるでしょう。
これまでの経験がこの石垣の海でどこまで通用するのか…、それを試せるという意味でも、非常に楽しみな遠征です。
たとえ通用しなかったとしても、それは新たな発見への第一歩。
未知の海に挑むこと自体が、私たちにとっての大きな喜びであり、何よりもアングラーとしての本能をくすぐられる瞬間なのです。

石垣島のタックルセッティング

石垣島のディープジギングのメインターゲットであるカンパチ。
2日間という限られた日程で、広範囲にわたるポイントを効率よく探るために今回は「ハイピッチジャーク」を軸とした攻めのジギングスタイルで臨み、それに合わせたタックルを準備しました。

■メインエリア:水深140〜320m前後のディープゾーン
■メタルジグ:400〜700g前後(潮流・水深により適時調整)

■ライン:Pe3号を基本に、大型狙いならばPe4号が必須
■ラインキャパ:最低500m以上を確保(ラインブレイク時のリカバー、ベイトリールの巻き量確保)

ジギングタックル Pe3号

▼スピニング
SELFISH AJ 604 / STELLA SW10000PG(Pe3号500m)/ 使用ジグウェイト 300~400g

▼ベイト
SELFISH SEB 615 / BLUE HEAVEN L80Hi(Pe3号700m)/ 使用ジグウェイト 300~500g
SELFISH AJ 5105B(プロト) / OCEA JIGGER LD 2500HG(Pe3号600m)/ 使用ジグウェイト 350~550g

・潮の抵抗の低減による、ジグへのアクション性の向上、ジグへの伝達力の向上
・フォールスピードの向上による、素早い着底と狙った瀬への正確なピン打ち
・魚探に好反応があってもバイトに至らない、あるいはフッキングしきれない難しい状況を打破するための喰わせに特化したライトセッティング

 

ジギングタックル Pe4号

▼スピニング
SELFISH AJ 5105 / STELLA SW14000PG(Pe4号500m)/ 使用ジグウェイト 350~550g
OceanArrow 5320 / STELLA SW14000PG(Pe4号500m)/ 使用ジグウェイト 400~700g

▼ベイト
OceanArrow 5910B / Marfix LN4(Pe4号600m)・CAPTCHA 60HG(Pe4号600m)・VALIANT 600NN(Pe4号600m)/ 使用ジグウェイト 400~700g

・500g以上のジグの使用頻度が高くなる200m以深のディープ、潮流の速いエリア
・起伏が激しい岩礁帯でのパワーファイト
・大型カンパチに狙いを定めたパワーセッティング

もう一種のターゲットであるGTキャスティング。
様々な状況に対応できるように6~10号までのタックルを準備しました。

GTキャスティング用タックル

▼6号タックル
Ultimo 82ML Pe6号 / 使用ルアー 200~240mm程度の中型ダイペン・S字系ルアー
Ultimo 83M Pe6~7号 / 使用ルアー 200~240mm程度の中型ダイペン・ダイビングポッパー・小口径ポッパー

▼8号タックル
Ultimo 710MH Pe8号 / 使用ルアー 200mm以上の中~大型ダイペンやポッパー、シンキングペンシルなど
OceanRidge Reversal GT80 Nano ・LC GT82 Nano Pe8号 / 使用ルアー 240mm以上の大型ダイペンや中口径ポッパー、ヘビーシンペンなど

▼10号タックル
OceanRidge PF GT711 Nano Pe10号 / 使用ルアー 240mm以上の大型ダイペンや中~大口径ポッパー、ヘビーシンペンなど

釣行初日

午前6時ごろ、畑船長の送迎で港へと到着。
石垣島の3月後半は日中こそ気温が25℃近くまで上がり半袖で過ごせるほどだが、夜明け前後はまだ肌寒く、シェルジャケットを羽織ってちょうどいい。
前日に準備していたタックルを手早く積み込み、石垣島東沖のポイントへと船を走らせる。

1時間半ほど走った頃、急にエンジンの出力が落ちた。
どうやら良い反応を見つけたようだ。

魚探には、ボトムから30m付近までびっしりとした反応。
船長から「おそらくオオクチハマダイの反応ですね。」と情報が入る。
比較的大型のベイトにつく魚は、活性が高いことが多く、期待が一気に高まる。

石垣遠征の第一投目は、大きな瀬の中腹にある水深211mのこぼれ根のポイント。
500g程度のジグが2分程で着底。400gだと2分30分ほどかかったようだ。

着底後は、まずしっかりと根を切る。
ベイトの塊層からから外側へとジグを飛ばすように意識しながら、カンパチに気づかせるイメージで50~70回ほどしゃくり上げていく。
とその時、「フォール中のジグをカンパチが追ってますよ!!」 と畑船長の声が響く。
そして次の誘い上げの瞬間、船長の読みがズバリ的中。
ジグに食らいついたのは、芹川のタックル。
渾身のフッキングが決まり、ファーストヒット!

■ヒットタックル:SELFISH AJ 5105B(プロト) / OCEA JIGGER LD 2500HG(Pe3号600m)/  FT 500g

締め込んだドラグを絞りだしていることから良型のカンパチのようだ。
ヒットはボトムから20シャクリほど。
誘い上げて狙い通りのレンジで食わせることができた。

そして芹川のヒットがトリガーになったのか、直後に隣の野田にも強烈なバイト!
ロッドが深く曲がり、重量感のある引きが手元に伝わる。

■ヒットタックル:OceanArrow 5910B / Marfix LN4(Pe4号600m)/  メガスピンドル 500g

ハイピッチジャークのパターンに魚の反応が合えば、こうして連続ヒットが狙えるのがハイピッチジギングの面白さ。
だが、そう簡単にいかないのもこの釣りの奥深いところである。

中層付近まで巻き上げたところで、突然ファイトの様子が一変。
ラインテンションが一気に抜け、嫌な予感とともに巻き上げると… 上がってきたのは、なんと胴体をかじられたカンパチの無残な姿だった。

水深100m程度であれば、まだ運良くサメを交わせる可能性もある。
だがここは200m超のディープエリア、この水深では、さすがに回避は極めて難しい。

野田も同様に、ファイト中にシャークアタックを受け、無念のバラシ。
水面に上がってきたカンパチには、明確にかじられた痕跡が残っていた。

その後の数流しでも、ヒット直後のブレイクや、途中での食い上げによるラインカットが続き、船中は一気にサメ警戒モードに。
このまま粘っても釣りにならないと判断し、畑船長の決断で早々にポイントを移動することとなった。

✔check-石垣島の釣りシーズン

石垣島周辺のオフショアゲームは、季節ごとにターゲットが大きく入れ替わる、まさに“年中ビッグゲームが楽しめる夢のフィールド”

▼カンパチジギング:11月~4月頃がシーズン。ジギングは水温が下がる時期が最もベスト。
▼GTキャスティング:10月~6月頃がシーズンとなる。GTでは水温25~30℃程度が好条件。

▼キハダキャスティング/ジギング:一年を通してシーズンとなる。春は数釣り、秋にはシイラを捕食する大型個体が狙える。

また、石垣島周辺のルアーフィッシングでは、黒潮の動向が釣果を大きく左右する。
黒潮が島に接岸し、東北方向へと強く流れる潮が入ると、風と潮流が同調しやすく、狙ったポイントにアプローチしやすく好条件となりやすい。
今回の遠征では、残念ながら黒潮は石垣島から離れた状況ではあったが、カンパチとGTの両方が高活性となる3月後半にタイミングを合わせ、限られた条件の中で石垣島の持つポテンシャルを探る釣行となった。

下げ潮が効き始めた午前11時頃、先ほどのポイントから北側に移動し180mのポイントを探る。
ジグを着底させてアクションをすると、すぐさま小山にカンパチがヒット!

ファイトの感触からすると、先ほどサメに喰われたカンパチよりもかなり小ぶりな様子。
それでもまずは本命の顔を見るべく、丁寧なやり取りで慎重に浮かせていく。
すると、ここで高活性の群れにどうやら当たったようで、小山のヒットを皮切りに船中全員ヒットとなった!


上がってきたカンパチは、目標としていた10㎏オーバーには程遠い可愛らしいサイズ。
それでも、本命のカンパチを遠征の地である石垣島でキャッチできた喜びは格別だ。
特に、先ほどはサメの洗礼を受けたばかりだっただけに、今回は全員でキャッチできたという結果が何よりもうれしい。

次はサイズアップを目指して、石垣島北側の水深230mの荒根のポイントに入る。
このポイントでは、魚探には大型と思しき反応が多数映るものの、その多くがボトムに張りついた状態で、根ズレのリスクも高く、アプローチには細心の注意が必要だった。
それぞれ慎重に着底を確認しボトムを切ってアクションを開始。

するとトモの柿下にヒット。
先ほどの小型のカンパチとは違いファーストランのトルクが強く止めることができず、痛恨のブレイク。
さらに続いて芹川にもヒットしロッドが大きく曲がるが、こちらもファイト中にラインブレイクしてしまった。

ディープジギング特有の厳しさにアングラー側の対応が追い付いていないのか、その後も身切れやブレイクが相次ぎ、大型と思しい個体のキャッチにはなかなか至らない時間が続くなか、嫌な雰囲気を払拭するためGTを狙いに行くこととなった。


日も傾き始めた午後4時頃、島周りの根が点在するエリアへと入った。
GT狙いにはベストとも言える、下げ潮止まり直前のタイミング。
潮が緩み、ベイトが水面付近に浮き上がってくる一瞬の好機を逃さず、勝負をかける。
このポイントは、沖に点在する岩礁帯で、50mから一気に15mまで駆け上がる地形のようだ。

✔check-石垣島のGTキャスティングゲーム

石垣島といえば、南国らしいリーフエッジのストラクチャーを攻めるイメージであるが…、
実際にインリーフやリーフエッジといったシャローポイントは、小回りの利く小型のフラットボートが中心になって狙っている。
大洋丸のような大型船は、沖の地形変化やベイトの反応を見ながら、より広範囲にポイントを組み立てていくスタイルが主流である。
それぞれの船の特性に応じた住み分けがなされており、混雑を避けつつ、フレッシュなポイントを打てるように戦略的にGTゲームが展開されている。

石垣島でのGT遠征の際には、乗船する船のスタイルに合わせたタックル選定が釣果への近道となるので、ぜひ参考にしてほしい。

この日のこのポイントも、ベイトの反応は上々。
一流し目から根のトップに入れるタイミングだけに、この流しが勝負所となる。
今回のジギングでは悔しい思いもしているだけに、何としてもここで結果を出したい。

そして水深18m、そろそろ根のトップへ差し掛かろうというその時、トモの小山のシンキングペンシルにGTが追尾してきたのを確認!
狙いを定めて喰わせのジャークを数発、その直後GTが勢いよくバイト!

ロッドが大きく弧を描き、ドラグが唸る。
ファーストランの圧倒的なパワーに、さすがの小山も一瞬戸惑った様子を見せたが…、
そこはマグロキャスティングで鍛え上げられた腕の見せ所。

ラインを出され過ぎることなく、冷静に魚の動きを読みながら着実に距離を詰めていく。

Tackle Data
Rod:OceanRidge LC GT82 Nano
Reel:STELLA SW 20000PG
Line:GOSEN 8号
Leader:神海 40号
Lure:ベベルスイマー シンキング(フック込み 200g程度)

本命のターゲットであるGTをついにキャッチ。
嬉しい一本をようやく手にすることができた。

一流し目でヒットに持ち込めたのは、メンバー全員が異なるルアーでアプローチを試みたことが大きな要因だろう。
これまでの経験上、GTが好反応を示すルアー形状には明確な傾向がある。
この日もそれぞれがダイビングペンシル、ポッパー、そしてシンキングペンシルを使い分けながら、手探りでアプローチをしていた。
そしてこの時間帯、このポイントでは、間違いなくシンキングペンシルが「正解」だった。

根のトップの水深18m程度であれば、シンキングペンシルをあえて使う必要はないようにも思えるが…、
北海道出身の小山にとって今回が初めてのGTキャスティング遠征ということもあり、既成概念にとらわれず、柔軟な発想でルアーを選択したことが、この1本へとつながったのだろう。

その後も数か所キャスティングポイントを巡り、反応を探っていったが、追加のバイトは得られず。
惜しくも釣果は続かなかったものの、初日の石垣釣行は、価値ある1本で幕を閉じた。


後編『石垣島遠征 ディープジギング & GTキャスティング -Day2- 』はこちらから

今回の石垣島の動画も公開しております!
是非ご覧ください。


  1. Facebook
  2. Instagram
  3. YouTube
  4. JP
  5. EN