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5 釣行日誌
5 釣行日誌 : 2016年 5月 玄海灘 ヒラマサ釣行  遊漁船 優  ロッド Aquila856Nano Aquila815Nano Aquila874 Ultimo83ML
投稿者 : ripple 投稿日時: 2016-07-08 10:51:10 (1112 ヒット)

写真・文 増田直人
フィールド 玄界灘・壱岐周辺海域

遊漁船・優(ユーフィッシング)
電話090−4984−0324





釣行の模様です。YouTube


Aquila856 Nano ファイトシーン
https://www.youtube.com/watch?v=HxTr3kvrugs



Ultimo83ML ファイトシーン
https://www.youtube.com/watch?v=OESH1s_hnPA





●春マサを求めて
 桜の盛りも過ぎようとしている頃、九州の北に広がる玄界灘は春のヒラマサシーズンがスタートする。このいわゆる春マサは産卵を控えた大型が大挙としてシャローエリアに集まってくる頃で、進化を続ける日本のヒラマサシーンの中でも別格のシーズンと言える。
 しかし、水深20mほどのシャローもゲームエリアに入るので、とにかく獲れないことも多く、道具立ても難しいシーズンになる。「掛けることはできても獲れない。しかし、それを何とか獲る」というルアーフィッシングの原点とも言えるこのゲームは、熱狂的なファンを増やし続け、現在の玄界灘ではPe8〜10号というタックルは普通になってきた。
 元来、大型の青物、特にヒラマサとカンパチのファーストランは物理的にどうやっても止めることができないと言われてきた。それを水深20〜40mの水深で何とかしてやろうというゲームには、フィールドを熟知した遊漁船と船長ありきのゲームでもあり、それがまたこのゲームを奥の深いものにしている。遊漁船の船長にはすべからず個性があり、単純に優劣をつけることはできず、アングラーはそれも含めて狙いを考え、かつ魚とのやり取りをおこなっていく必要がある。
 単純に場数がものを言う世界とも言えるが、得てして大物をキャッチするのは固定概念に縛られないライトなマニアだったりするから面白い。実際、ものの数分にしかならないファイト時間の中での対応能力は、場数だけではない閃きも大切になってくる。
 前置きが長くなったが、4月上旬、我々、兄弟ロッドメーカーであるヤマガブランクスとリップルフィッシャーの一行は春マサを求め一路、熊本から福岡へと向かった。お世話になるのは遊漁船「優」。この船はメインのキャスティングからジギング、そして夜焚きイカまで様々なゲームを案内してくれる。最近、夜焚きイカ用の設備も更に充実させたらしいが、それは今回は関係ないか…。とにかく、操る吉村船長はまだ若いが、尋常ならざる釣り好きゆえ、魚を求める執念からくる調査に怠りはない。
 釣行当日は快晴、ほぼ無風という微妙なコンディション。潮は大潮前の中潮で、船長的にはベストな潮周りではないようだが、まだ走りの時期である4月上旬では何があるか分からない。そして福岡漁港を出港し、滑るように船は走り約2時間後、壱岐の海に入る。
 壱岐は島周り全体がポイントではあるが、エリアが広いだけにポイント選択は大きく明暗を分ける。最初に入ったのはシーズン序盤に実績のあるエリアだったが、海は鏡のようなベタ凪。全く釣れる気がしないほど海は平穏そのものだが、鳥はちらほらと見える。
 ルアーを投げ続ける間に鳥が増え始め、船長の微調整で7〜8キロのブリは釣れ始める。まん丸と肥えて最高のブリだが、今回はあくまで大マサ狙いのため満足のいくターゲットでは無い。ブリはしばらく釣れ続けるし、ブリならば更に釣れるポイントも保険で押さえてはいるようだったが、吉村船長は考え込んでいる。
「このポイントでブリしか出ないとなると、このエリアは捨てましょう。少々、賭けですが自分的にもう少し日が経ってから始まると思っていたポイントに行ってみましょう!」そう言って、船長はブリのエリアを捨て、船を大きく移動させた。

●潮と風と鳥と
 1時間弱走ると、先ほどのエリアとは打って変わり、程よい風と潮目が周辺にできている。鳥もあちらこちらで水面に突っ込み、ナブラも出ている。これは当たりだったか。皆のテンションも上がり、キャストを開始するが、ここは出るだろうというナブラや潮目で全く反応が無い。ベイトも小さいのか全く確認できず、少し嫌な予感が走るがヒラマサ、特に大マサは気まぐれだ。信じて丁寧に誘い出しを続ける。
 しばらく膠着状態が続いたが、リップル・フィールドスタッフの八谷氏の操るダイビングペンシルのチェリーパイ180(ハンマーヘッド)が船より20mくらいまで近付いた時、水面がいきなり爆発した。「マサだ!!」呆然とする皆の後ろで叫ぶ船長。同時に八谷氏のロッドが大きく絞り込まれる。遂にきたか。根のトップでのヒットだったので水深は25m。
「ここは浅いっすよ!! 止めて!!」船長の声が響く。






 八谷氏のタックルはPe6号にロッドはアクィラ856ナノ(リップルフィッシャー)。繊細なロッドだがマグロ兼用のスペックなのでバットは粘る。ドラグは強めに締めていたが、慌てずにロッドのパワーを生かしきる曲げで魚に主導権を渡さない八谷氏。5分ほどファイトし、浮いてきた魚体は大マサと呼ぶに相応しい体躯を持った美しいヒラマサ。危なげなくランディングに成功し、デッキに上げる。重量は22キロを超えていた。八谷氏自身の記録更新でもあり、船上に歓声が上がる。








カメラを持つ横で吉村船長が大きく胸を撫で下ろす。自分で選んだ仕事とは言え、ヒラマサのキャスティングほど難しいターゲットも無いだろう。必死に船を走らせ魚を探す姿を見ていただけに、こちらも客の立場ながら、何故か船長の立場になって嬉しくなる。
 そして流し直すこと数回目、鳥山周辺を狙っていたリップルスタッフ前田の引くリベルタンゴ210(フィッシュトリッパーズヴィレッジ)に水飛沫が立つ。ロッドを水平に引く独特のフッキングをしっかりと決めファイトを開始する前田。尋常でない絞り込みから、これも良型を予感させる。Pe8号、ロッドはGTロッドで大マサにも対応するウルティモ83ML(リップルフィッシャー)。水深的には40mほどあり、思い切りパワーファイトを仕掛ける前田。







数度の突込みをしのぎ、ランディングに持ち込んだのは16キロ強のこちらも立派な大マサだ。








船長いわく、ここはヒラマサしか出ないポイントで、今は潮と風がいい感じで絡んでおり、連続した根を流していけている。加えて鳥もまだ多い上、潮目もいい感じで走っている。根の上で誘い出しをするには、流す方向やタイミングは非常に重要となる。時期的に早かったかもしれないが、風と潮を読んだ船長の読みがバッチリ当たったようだ。


●更なる格闘
 更に30分が過ぎ、ヤマガブランクススタッフの甲斐と舛田がホースヘッドに立っていた時に反応のいい根に近付く。しかし根のある船の進行方向とは斜め逆方向に良い潮目が走っていた為に、甲斐は潮目方向もチェックすると、船長が声を上げる。
「ここは根に集中してください!! そっちは出ないですよ!!」
 船長はこれまでにも細かくアドバイスをくれており、根のある方向、可能性のある潮目と常に伝えてくれていたが、なるほど、難しいもんだなと思いながら見ていると、その後の数投目、甲斐の操るラフトレイル青政188F(デュオ)が持っていかれた!! 本当に出た!!
しかも、走りからも間違いなく大型のヒラマサだと分かる。そして、今日の甲斐は完全に大マサに狙いを絞り、ツナロッドであるブルースナイパー81/10ブラッキーとPe8号の組み合わせをメインに振っていた。シャローでのガチンコ勝負を視野に入れた道具立てだったが、ヒットした水深は40m、慎重にやれば獲れるはず。針掛かりのことは今は考えられない。それだけ魚の走りは予断を許さない暴力的な力を見せていた。
 ヒラマサゲーム特有というか根に向かって船を流している状況なので、すぐにラインは真下にくる。ここでの突っ込みを耐えながら、魚の走る向きに合わせて船上を走る甲斐。トモで更に突っ込まれるが、腰を入れてしっかりと受け止めると、徐々に魚が浮き始めた。
 水中に浮かんだ魚体に、一瞬、息を呑む。これもデカい…。ランディングに成功したそのヒラマサは23キロを超えていた。一日の釣行で20キロオーバーを2本見るとは、朝の感じでは夢にも思わなかった。





この後は単発でチェイスが数回、甲斐が8キロほどのヒラマサをキャッチし、夕マヅメに最後のポイント移動でヤマガブランクススタッフ舛田も7キロのヒラマサを獲った。これで全員がブリ&ヒラマサをキャッチし、帰港となった。





今回の釣行を総括すると、春マサらしい単発で散らばりながらのバイトを如何に拾えるかどうかと言う展開に終始した。また、吉村船長のポイント選択と操船によるライン取りの上での釣果だったことは間違いなく、シーズンの走りでこれだけの釣果に恵まれたのは本当に幸運だった。
 そして、その幸運を導いたのは皆のタックルによるものも大きいだろう。その道具立てを見てみると、リップルの八谷氏はヒラマサ・マグロ兼用ロッド、前田はGTロッド、ヤマガブランクスの甲斐はツナロッド、舛田はGTロッドでのキャッチであり、特に玄界灘で顕著だがヒラマサというターゲットは既にキャスティングゲームの枠を壊しつつある。
しかし、それも仕方の無いことで、ヒラマサ自体がシャローで20キロオーバーが普通に出るし、40キロオーバーだって可能性もゼロでは無い無茶苦茶なターゲットなのだ。その無茶を通す為にアングラーは苦い思いを繰り返しながら、次から次に答えを出しては自ら壊して、更に進んでいく。そして、各種タックルの進化も目まぐるしく、ロッドの最終着地点もまだまだ見えていない。そもそも道具立ての答えはアングラー個々の突き詰め方により星の数ほどあるはずで、タックルは答えではなく、あくまで選択肢でしかない。
更に、今回の舞台となった玄界灘にしろ、五島列島も対馬もキャスティングゲームにおいては、まだまだ可能性を秘めた海域だと聞く。未開拓のポイント、シーズン、時合いは星の数ほど存在するはずだ。
 これから春が過ぎ、産卵から回復した固体が戻ってくれば夏マサシーズンが始まる。各シーズンは短いが、ヒラマサは通年を通して狙え、時期とフィールドにより常に違うパターンで挑む必要がある。その上、常に獲れるか獲れないかのギリギリの選択を強いられる。こんなターゲットはヒラマサだけではないだろうか。我々ロッドメーカーもアングラーと共に挑み続けなければならない魚であることは間違いなく、挑み続けることこそがヒラマサゲームの本質なのだろう。















前田使用ルアー



八谷氏使用ルアー



胃袋の中にはこんなベイトが入っていました。


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